無償化せず、政府検討 財源に限界

毎日新聞様
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 自民党が衆院選の公約に掲げた幼児教育・保育の無償化について、認可外保育施設の利用は無償化の対象に含まない制度設計を政府が検討していることが分かった。東京都の認証保育所など認可外保育施設に通う子どもは17万人以上おり、不平等だと批判が出る可能性がある。与党内でも配慮を求める声が出ているが、財源の大枠は固まりつつあり調整は難航しそうだ。

 政府は年内に消費税率10%への引き上げの増収分などを活用した2兆円規模の経済政策パッケージをまとめる予定で、このうち1兆円超を幼児教育・保育の無償化に充てる方針。2019年度から段階的に、0~2歳児は低所得層限定で、3~5歳児は全世帯を対象に無償化する。
 政府の試算は認可保育所や幼稚園の利用に限っており、ベビーホテルや事業所内保育所などを含む認可外施設の利用は想定していない。認可外は保育士の配置や面積などの基準が認可よりも緩い。無償化の対象にすると、政府が推奨していると受け止められかねないからだ。
 だが、厚生労働省の13年調査によると、認可外利用の約4割は、認可への入所を希望していたが空きがなく入れなかった人たち。東京都の認証保育所など自治体が独自に進める事業や、開設や運営に認可並みの助成が受けられる企業主導型保育所は、待機児童対策の一環として整備されてきた経緯もある。また、認可外の保育料は一般的に認可より高く、月に十数万円かかるケースもある。
 こうした点から、自民党厚労族の一人は「認可にも入れなかった揚げ句、無償化の対象にもならないのは問題だ」と指摘する。政府・与党内では事業所内保育所の利用者には一定の補助をするなどの案も出ている。【阿部亮介、藤沢美由紀】
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