IoT保育園の実証実験 姿勢検知し事故防止 福岡市

子供たちを見守る保育士のイラスト
日本経済新聞様
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 福岡市は7日、九州工業大学などと連携し、あらゆるものがネットにつながる「IoT」技術を保育園の運営に生かす実証実験を始めた。センサーで集めたデータをもとに園内の環境管理や乳幼児の見守りサービスを提供。昼寝中の園児の姿勢を検知するなどで園児の安全を確保したり、保育士の負担を軽くしたりできるか検証する。

 実証実験をするのは福岡市城南区の「きりん保育園」。データ収集には省電力で通信できるIoT向けネットワーク「LoRaWAN(ローラワン)」を使う。市によると、こうした技術を保育園で使った実証実験は珍しいという。

 実験では園内に設置したセンサーで室内の温度や湿度、二酸化炭素(CO2)濃度など詳細な情報をモニターで確認できるようにする。換気のタイミングを適切に把握するなどして、感染症予防が見込めるという。

 このほか睡眠中の園児につけたセンサーで乳幼児の寝ている姿勢や呼吸状況などのデータを蓄積したり、異常があればアラームで知らせたりする。うつぶせ姿勢で寝ることで呼吸が苦しくなるなどの事故を防ぎやすくすれば、見守りに重い責任が伴う保育士の負担軽減にもつながる。

 今後は園児につけるセンサーをさらに小型化するなどの改良を重ね、来年3月末まで実証実験を続ける予定だ。

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