企業が整備 保育園運営に参入


タウンニュース様
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 共働き家庭などが増える中で、保育所への入所希望者は年々増加している。その受け皿不足による「待機児童」が問題視される中、入所申請に自治体を介さず、国から助成を受ける「企業主導型保育事業」の制度が一昨年から開始。市内でもこれを活用した保育施設が注目されている。

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 今月2日、初めての入園式が行われた安浦町の「えるむ保育園」は、市内で不動産業を営む(株)エルムジャパンが運営する企業主導型施設=写真。6カ月〜2歳児までの受け入れで、現在は1歳児2人と2歳児1人が通う。同園を選んだ理由を「勤務先が提携しているから」と母親のひとり。また「(認可園は)4月入所の申請が前年秋で求職中では難しかった。預け先が確保できてよかった」と話す保護者もいる。

認可園と同水準

 同園の運営形態「企業主導型」とは何か。分かりやすく言うと、会社が作った保育園。企業のニーズに応じて柔軟に設置でき、整備や運営費を国が助成している。単独もしくは複数の企業が運営する施設や、保育事業者が設置し提携企業の従業員が利用する―などさまざまなケースがある。いずれも「地域枠」を設け、近隣の子どもも通える園も多い。一昨年の制度開始から全国で約2300施設に増えており、早朝や夜間・日曜の開所に応じている園もある。

 施設としては認可外保育園の扱いだが、職員配置や面積にも一定基準があり、制度を運営する公益財団法人児童育成協会による定期的な指導監査も行われる。利用は園との直接契約、保育料は認可園と同水準だという。

選択肢の「見える化」を

 市内では、日産追浜工場が設置した「まーちらんど・おっぱま」やタクシー会社による事業所内保育園のほかに、同園のように駅に近接し、地域利用枠のある園が増えている。

 エルムジャパンの代表、今井拓也さんは「安心して働ける環境を作りたいと立ち上げた。新たな選択肢になれば」と話す。現状では、園児募集に関して市を介していないため、開園や空き状況などの情報が行き渡りにくいことが悩みだという。「地域にどのような園があるのか一元化できれば、子育て支援の充実につながるのでは」と今後の広がりに期待を示した。


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