静岡県内の待機児童327人、4月1日時点 129人減

子供たちを見守る保育士のイラスト
日本経済新聞様
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 静岡県は17日、2018年4月1日時点の県内の待機児童数が、前年同期比129人減の327人だったと発表した。待機児童が生じた市町は4市町減り、15市町だった。保育所の整備や既存施設の定員増などを進めたのが奏功し、待機児童数は2年ぶりに減少した。

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 保育所への入所申込数は2355人増の6万5655人だった。共働き世帯の増加などを背景に、保育需要は今後も伸びるとみられる。保育所や認定こども園の整備が進み、施設数は74カ所増の873カ所。保育定員は4056人分増えて6万9843人だった。

 市町別にみると、静岡市が初めて待機児童ゼロを実現。浜松市も168人から97人と半数近くに減った。

 一方、掛川市や御前崎市など16年のゼロから増えたところもあった。県こども未来課は「施設不足のほか、保育士1人で担当できる子供の人数が少ない0~2歳児の申し込み増加に対応が追い付いていない」と保育士不足も指摘する。

 18年度は小規模保育所の設置などにより、2200人分の定員増を見込む。企業が従業員の子供を預かる企業主導型保育所は2月末時点で41施設に上り、今夏までにさらに30施設がオープンする予定だ。富士市は企業主導型保育所を設置する事業者に対し、国の助成に上乗せして補助金を交付する。

 施設整備と並行し、保育士の確保も重要な課題だ。県は17年度に、独自のキャリアアップモデルを設定。主任や園長になる前の一般保育士を対象に、専門リーダーや副主任などの職位を新設することなどを提示した。18年度は若い保育士らがキャリアを形成しやすい環境を整えるよう保育所に呼び掛けている。

 藤枝市は17年度、資格を持っていながら保育所や幼稚園で働いていない保育士や幼稚園教諭のデータベースを作成し、現在は約50人が登録。保育所からの人材に関する問い合わせに対応する。

 18年度はIT(情報技術)企業のサンロフト(焼津市)と組み、保育所向けの働き方改革の手引書を作成する。同社が今秋にも、市内60カ所の保育所が参加する交流サイト(SNS)を導入し、各施設の取り組みの情報を共有。保育士を確保するために、保育所の業務効率化を進める。

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