「森で保育」美濃で勉強会…全国から170人

紅葉のイラスト「紅葉した森」
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 森での遊びを通じて子どもたちを育てる「森のようちえん」が全国に広がる中、「“森と自然を活用した保育・幼児教育”に関する自治体勉強会」が、美濃市の県立森林文化アカデミーで開かれた。

 勉強会は国土緑化推進機構の主催で、全国から自治体の担当者や保育関係者ら約170人が参加。今年度から施行された厚生労働省の保育所保育指針や文部科学省の幼稚園教育要領では、改めて子どもたちの成長に自然の活用の重要性が強調されている。これを踏まえ、木戸啓絵(ひろえ)・岐阜聖徳学園大学講師は「森のようちえんも既存の幼稚園も、進むべき方向は同じはず。対立より協力が大切」と訴えた。

 森のようちえんの独自の認証・認定制度を始めている長野、広島、鳥取県からの報告に続いて、岐阜県林政部の井田琢也・木育推進室係長は「森林県の古里を愛してもらおうと木育に取り組み始め、森のようちえんの運動と出会った。県の森林・環境税を指導者育成などに使い、運動を支援している」と話した。来秋には「第15回森のようちえん全国交流フォーラム」の県内開催も決まったという。

 地元の取り組みとして、美濃加茂市農林課の山田夕紀・里山再生係長が、森林整備と森のようちえんを結びつけた事例を紹介。「荒廃した里山を再生する中で、その現場が子どもたちの遊びや学びのフィールドになることに気づいた。市全体を対象に、市立も含めた森のようちえんをつくるプロジェクトを進めている」と語った

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