幼保無償化 半年で3800億円 19年度予算案 初年度は国が負担

お金を支払う人のイラスト(男性)
東京新聞さま
------------------------------------------------------------------------------------------------

政府は二十一日に閣議決定した二〇一九年度予算案で、目玉に位置付ける幼児教育・保育(幼保)の無償化など子ども・子育て関連の政策に、前年度から約一割の上積みとなる総額約三兆三千億円を計上した。二〇年度以降も新たな事業や、既存の施策の充実を予定している。

幼保無償化は、財源にする消費税率の10%への引き上げを前提に、一九年十月から実施する予定。初年度は半年分の三千八百八十二億円を計上し、年間で八千億円と試算されていた予算規模に収まった。内訳は国が千五百三十二億円、地方が二千三百四十九億円で地方側の負担が重く、政府と全国知事会などの協議が難航した局面もあったが、初年度分は国が全額負担することで決着した。

無償化は今年六月の経済財政運営の指針「骨太の方針」で実施が確定した。政権が掲げる「全世代型社会保障改革」の主要政策となる。無償化にあたり自治体の負担が増すシステム改修費などの事務費も予算化した。

待機児童の解消に向けた保育施設の整備など、受け皿拡大に関しては一八年度二次補正予算案と合わせて七万人分、計千二百六十億円を盛り込んだ。二〇年度以降も順次増やしていく計画。放課後児童クラブ(学童保育)は、一九年度からの五年間で新たに三十万人分を確保するのが目標。初年度は「地域子ども・子育て支援事業」の千四百七十四億円の一部に組み込んだ。

大学など高等教育の支援では、返済の必要がない給付型奨学金の大幅増などを二〇年度から実施する予定。一九年度は、経済的に大学進学が困難な若者らを対象に私立大学の授業料を減免する制度の枠を二万五千人増の九万六千人にするなど既存事業の充実を図る。

東京都目黒区の女児虐待死事件を受けて見直された児童虐待防止対策では、児童相談所の体制強化や里親支援体制の構築などで前年度比百五十億円増の千六百九十八億円を計上した。 (安藤美由紀)

------------------------------------------------------------------------------------------------