待機児童の解消へ潜在保育士を掘り起し 県、支援制度活用を呼び掛け


埼玉新聞様
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県は待機児童の解消に向けた保育士を確保するため、資格はあるが子育てなどの理由で職に就いていない「潜在保育士」に就職や再就職に必要な準備金などを無利子で貸し付ける制度を2016年度から設けた。
 併せて保育士をサポートする「保育補助者」の雇用費用を保育所に助成する制度も整備。県少子政策課は「潜在保育士を確実に掘り起し、現場で活躍してもらうことで、待機児童の解消につなげたい」と、活用を呼び掛けている。
 同課によると、県内の保育所の待機児童数は16年4月1日現在、1026人。ピークだった03年の1921人以降は千人前後で推移しているが、共働き世帯の増加を背景に、保育所を整備しても待機児童が減らない状況が続いている。
 県は16年度、児童6500人分の受け入れ枠を拡大。保育所の整備とともに保育士の確保は急務となっている。昨年11月の保育士の有効求人倍率は全国平均の2・34倍に対し、県は3・73倍と高い。
 同課によると、保育士として就業しているか否かにかかわらず、県に保育士登録している人は昨年11月現在、7万3791人。このうち県内で働いているのは2万人程度とされ、潜在保育士は4万~5万人いるとみられる。
 そのため、3年間の事業として国庫補助金を活用した無利子の貸与制度(予算総額約21億円)を設けた。
 貸与制度では、未就学児がいる潜在保育士が保育士として保育所に就職、再就職する場合、自身の子供が通う保育所の保育料の一部(1年を限度に月額2万7千円以内)を貸す。さらに就職準備金(1回限り20万円以内)も貸し付ける。いずれも県内の保育所で一定期間、勤務すると、返還が免除される。
 また、保育士の資格を持たない保育補助者を雇用する際の補助制度は、補助者のサポートにより、保育士の負担軽減や離職防止を図るのが狙い。補助対象は保育所1カ所に1人の雇用が原則で、3年を限度に年額295万3千円以内で貸与する。
 県は同制度により、各年度とも、425人の潜在保育士の掘り起し、45人の保育補助者の雇用を目標に掲げる。
 問い合わせは、県社会福祉協議会資金課(電話048・822・1192)へ。
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