子どもの夏風邪対処法


東京新聞様より
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手足口病など子どものウイルス性感染症が増えてきた。
いわゆる「夏風邪」だ。
のどの痛みなどから水分を十分に取れず、
脱水症を起こすこともある。
上手に水分や栄養を取り、重症化を防ぎたい。 

この時季、乳幼児に多いのが、
手足口病と咽頭(いんとう)結膜熱、ヘルパンギーナ。
国立感染症研究所によると、
今年は、手足口病が中国、四国、九州など西日本で
流行しており、拡大の恐れもあるという。

手足口病になると、
手足や口の中に水疱(すいほう)状の発疹が出る。
高熱が出ることは少ないが、
東京逓信病院小児科の入江学医長は
「口の中の発疹は痛むことがあり、
食べたり飲んだりできなくなる子も多い」と話す。

咽頭結膜熱の主な症状は、
発熱とのどの痛み、結膜炎。
プールの水やタオルを介した感染が多く、
「プール熱」とも呼ばれる。
ヘルパンギーナは、急に高い熱が出て口の中とのどに水疱ができ、
強く痛むのが特徴だ。

いずれもウイルスに対する特効薬はなく、
せきや鼻水、嘔吐(おうと)、下痢などがあれば、
それに応じた薬が処方される。
安静と栄養摂取が大切だが、
特に水分不足には注意が必要で、
入江医長は「小さい子の脱水症には気を付けてほしい」と強調する。

口やのどの痛み、吐き気などで水分が取れないときや、
下痢が続いたときは要注意。
泣いたときに涙が出ているか、尿は出ているか、
唇や皮膚が乾いていないかなどの点に気を付ける。
脱水症になったら、病院での点滴や入院の必要がある。

合併症には髄膜炎や心筋炎などがあるが、発生はごくまれ。
入江医長は「大切なのは睡眠と栄養、
うがい、手洗い。こじらせたり感染を広げたりしないためにも、
熱が出たら二十四時間は無理をさせず、様子を見て」と話している。

乳児の母乳やミルクは、医師に止められていなければ、
いつもと同じように与える。
食事について、管理栄養士の馬場真佐美さんは
「温度と口当たりに気を付けて」とアドバイスする。

熱の出始めは寒気がするため、
人肌程度の湯冷ましや麦茶、野菜スープ、イオン飲料を少しずつ与える。
熱が下がったら、冷たくて口当たりの良いプリンなどがいい=表。
熱でビタミンが失われるため、果汁や軟らかく煮た野菜などで補給する。

激しい下痢や嘔吐があるときは、食事は休み、水分を取る。
入江医長は「吐き続けるときは、二~三時間は無理に飲まなくてもいい」と話す。
下痢のときは味の濃いものは避け、
イオン飲料なども水で薄める。温度は人肌程度にする。

下痢がひどくなければ、整腸作用のあるリンゴやニンジンのすりおろしなどを与える。
その後は、おかゆや煮込みうどんなどに変え、
便の状態が良くなったら、鶏のささみや豆腐、白身魚などでタンパク質を取る。

のどや口の中が痛いときも、飲食物の温度は人肌程度に。
馬場さんは「水分不足だと、たんも絡みやすくなる」と指摘する。
刺激が強いと痛むため、
かんきつ類や酸味の強いものは避け、食事の味付けも薄めにする。

みじん切りの野菜やひき肉は、ポロポロしており、
水疱などに当たると痛い。
ペースト状にしたり、軟らかく煮たりして与える。

「子どもは不快をきちんと伝えられない。
食べ方や量などをよく見て、
食べたいものでしっかり栄養を取らせてあげて」
と馬場さんはアドバイスする。
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