東日本大震災:「子ども煩わしい」7割




毎日JP
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東日本大震災後、乳幼児を持つ母親で
「子どもが煩わしくてイライラしてしまうこと」が
「よくある」「時々ある」と答えた人は7割に達することが、
ベネッセ次世代育成研究所のインターネット調査で分かった。
同社が昨年行った郵送調査では、同じ回答は54%で、
震災は子育てにも大きなストレスを与えているようだ。

「子どもが煩わしい」と答えたのは、首都圏の母親で71%。
首都圏・東北以外の母親でも70%と変わらず、
直接震災を経験したかどうかを問わずイライラを感じている。
同じ質問は4回目で、「煩わしい」が70%を超えたのは初めてだ。

子どもの言動の変化について首都圏の母親に尋ねると、
震災後2週間に母親に甘えることが増えたのは
0~2歳児の32%、3~5歳児の41%。
震災2カ月後でも0~2歳児の31%、
3~5歳児の26%は甘えが続いていた。
年齢の高い子の方が震災直後の影響は大きく、
年齢の低い子は回復に時間がかかっている。

お茶の水女子大の教授(発達心理学)は
「親子とも大きなストレスを受けていて、
小さな子どもたちに気になる行動が出ていることも
明らかになった」と関連を指摘。
「母親に余裕がなくなり、子育てに対する否定的な感情が増大したり、
子どもたちにいら立ちが向けられたりすることも
多くなったと予想される」と分析する。

「子どもが将来うまく育っていくかどうか心配」と感じる母親は70%。
震災1年前の調査では60%だった。
また、放射能の健康影響を「とても心配」「やや心配」と感じる人は
首都圏で92%に達した。
放射能が将来に影を落としていることがうかがえる。
逆に、放射能の影響を楽観する人に限ると
「将来うまく育つか心配」な人は58%と
震災前とあまり変わりなかった。

調査は5月、ネット調査会社を通じて行われ、
0~5歳児を持つ首都圏の母親1548人と、
北海道と愛知、大阪、兵庫、福岡の各府県の母親計1548人が回答。
同社は95年から5年に1度、
子育てなどに関する意識調査を続けており、
今年は震災の影響を調べるため昨年に続き実施した。
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