子ども研究所:子ども巡るプロを育成 

 

毎日jp
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「子どもにかかわるプロ」の育成を目指す
高松大発達科学部と高松短期大保育学科。
その共同研究組織「子ども研究所」が
10月で開所から2年を迎える。
所長にこれまでの歩みと今後の活動について聞いた。

--大学・短大の特色は何ですか。
幼稚園教諭・保育士免許を取得できる保育学科に加え、
より専門性の高い人材育成を目的に06年、
小学校教諭と特別支援学校教諭の免許も取れる
発達科学部を設立しました。
四国以外からも学生が多く集まっています。

--研究所は何を目的にしていますか。
少子化や核家族化による環境変化の下、虐待やいじめ、
不登校、体力・学力低下など、子どもを巡る問題は
複雑に絡み合い、その解決が求められています。
また、学習障害や注意欠陥多動性障害、
アスペルガー症候群などの発達障害は、
子ども全体の約6%存在するとされ、関心が高まっています。
それらの調査・研究や地域社会への
情報提供をしていきたいと考えています。
国立大の教育センターが主に学校教育を扱っているのに対し、
乳幼児を含めた子どもの問題がテーマで、
四国では初めての研究組織と考えています。

--所員は何人ですか。
現在、私を含めた教員7人です。
元保育園長や小学校・特別支援学校の元校長など
現場経験が豊富な人材がそろっており、
今後も増やしていく予定です。

--これまでの取り組みを教えてください。
発達障害の子を持つ母親で、自らも32歳で
発達障害と診断された女性の講演会
「ADHD・アスペ系ママ へんちゃんのポジティブライフ」を
昨年と今年、主催しました。
「数字に弱い」「片付けられない」などの症状のため、
しかられ続けた生い立ちや、子どもへの適切な接し方を
語ってもらい、大きな反響がありました。
また、本学の生涯学習教育センターを窓口とした
個別の育児相談も受け付けています。

--子育てに悩む親は多そうですね。
子どもの発達障害に気付かなかったり、
子育てに不可欠な地域や家族の絆が
薄れていたりというのが多くの問題の要因と思います。
また、学校は集団教育が基本ですが、
個別に対応し、順調な発達を促すのが、教育の原点です。
今こそ原点に立ち返らなければならないと思います。

--今後の展開は。
研究所でテーマを設定し、まずは香川をフィールドに
子どもや保護者、教員への調査を行いたいと考えています。
それを踏まえて、発達障害や教育環境などの
実態を把握し、研究を進めたいと思います。
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