NYから被災児童へ


読売新聞
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米同時テロから10年になったニューヨークで、
現地在住の日本人が、東日本大震災で被災した子どもを
励ます活動を行っている。
かつての悲劇を体験した立場から、
被災者の心の傷を癒やす取り組みだ。

ニューヨーク北部の大型総合病院のカフェテリアに8日午後、
小学生ら約20人が集まった。
震災で被災した子どもらに贈る人形を作るためだ。

この活動を企画したのは、ニューヨーク在住の日本人女性(52)が
代表を務めるNPO法人「ハッピー・ドール・インク」。
代表は病気や貧困に苦しむ世界の子どもたちを結びつけようと、
メッセージ入りの人形を贈り合う活動を行っている。
今回は顔を描いたり、「アイ・ラブ・ユー」と
メッセージを書き込んだりした人形60体を作り、
30体をハイチに、残りを今月中に福島県などの避難所に届ける。

中米のハイチで貧困に苦しむ子どもたちを支援している
米・コロンビア大学教授(64)も活動に協力。
「心に傷を負った子どもたちは、
世界の子どもたちが心配してくれていることを知って心が癒やされる。
その象徴が手作りの人形」と語る。

代表の日本人女性も
「同時テロの悲劇を経たニューヨークだからこそできる活動。
言葉や人種が違っても、心はつながっている。
そのことを子どもに理解してもらいたい」と話す。

また、ニューヨークにある小学校の協力を得て、
子どもたちに被災者へのメッセージを書いてもらう取り組みも。
ブログ製作を手がける女性(37)は
4月、約500校に「被災者に手書きのメッセージを」と呼びかけた。
「愛」「かわいい」など簡単な日本語を書いた約700通が集まり、
近く宮城県のボランティアセンターなどに送る予定だ。

彼女は「米国でも東北の被災者を心配している人は多い。
そうした思いを集め、被災者を元気づけ、
お互いに交流を行っていくきっかけにしたい」と話している。
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