待機児童 京都市、4年ぶり減


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保育所は「定員超過」
厚労省の新運用が拍車

保育所への入所を希望しているのに入れない「待機児童」が、
京都市で4年ぶりに減った。
市が保育所を新設した成果だが、
定員を超えて受け入れる児童も増え、
「詰め込み」を懸念する声もある。
府内各地の自治体も、人口の増減をにらみながら
待機児童の解消を目指している。

市の対策は保育所の新設や増改築だ。
昨年度は約8億7千万円をかけ、
西京区や右京区に3カ所の保育所を新設し、
増改築や分園も7カ所で実施した。
今年度も約7億円の予算を計上している。

市内252カ所の保育所には過去最多の2万7464人が通う。
しかし、保育士の数や面積をもとに定める保育所の定員を
約3千人も上回っている。
厚生労働省は昨年度から、最低基準の範囲内なら
定員を上回ってもいいとする運営に踏み切った。
このため、市では児童数の定員超過に拍車がかかり、
07年度の約1・7倍に増えた。

ただ、現場の保育所からは不満の声が上がる。
4月に新設された保育所は定員90人に対し、
0歳児から5歳児まで120人を受け入れる。
開所時間は一般的な保育所よりも1時間長く、
午前7時から12時間。パートを含めた職員25人で対応している。

ある施設の所長は「1人の保育士が受け持てるギリギリの状態。
待機児童の問題は、器を増やして詰め込めば
解決するというわけにはいかない」と指摘した。

このため、新設を続けるのではなく、
空き家などの使われていないスペースを借りて保育にあたる
「家庭的保育」に重点を置く。
昨年11月からは2カ所の空き家を借りて児童10人の保育を始めた。
今後、幼稚園の空き教室や
未使用の公務員宿舎にも広げていく方針だ。

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