都市部 保育士不足が深刻に


NHK NEWS
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都市部では保育所の新設が相次ぎ、待機児童の人数は
4年ぶりに減少に転じましたが、その一方で、
子どもの保育を担う保育士を確保できない、
「保育士不足」が深刻となっています。

待機児童の人数が去年まで2年連続で全国最多だった

横浜市では、保育所の新設が相次ぎ、
定員が2300人余り増えました。
これによって待機児童は去年よりも581人減りましたが、
依然として971人が保育所への入所を待っています。
2歳の息子がいる母親は「共働きをしないと
経済的に厳しいので、働きに出たいけれど、
横浜市の保育所はどこも激戦。
希望する人すべてが保育所に入れるようにしてほしい」
と話しています。

保育所の新設が相次いでいるのに待機児童が
解消しない要因の一つが「保育士不足」です。

横浜市港南区で保育所を運営している社会福祉法人でも、
来年4月に新たに1か所保育所を増やすのに、
合わせて20人余りの保育士を採用する予定です。
ところが、7月から募集を始めても応募が少なく、
まだ1人しか保育士を確保できていません。
その背景には、待遇面の課題があります。

厚生労働省によりますと、保育士の平均給与は月に
21万7500円で、すべての職種の平均と比べると
10万円以上低くなっています。
この社会福祉法人でも待遇を改善する必要があると
考えていますが、経営状況を考えると難しいのが実情です。
園長は、「横浜では人材の争奪戦が起きているが、
子どもを受け入れるために何とか採用したい」と話していました。
厚生労働省は、保育所の整備が進むと、6年後には
およそ7万4000人の保育士が不足すると推計しています。
保育士の労働環境に詳しい千葉大学の教授は、
「早朝保育、延長保育、病児保育など、
保育所の仕事は多様化しているが、
それに見合った報酬が得られていないのが現状だ
保育士不足の解消には、国の補助金を拡充し、
賃金と処遇の改善を進めるべきだ」と話しています。
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