不足する病児保育室 新潟では4市7カ所、自治体間で差


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子どもがインフルエンザで急に熱を出したのに
仕事を休めない――。
そんな時に子どもを預けられる「病児保育室」が、
新潟県で都市部を中心に不足している
自治体が医療機関に依頼して少しずつ増えてはいるが、
思うように進まないのが現状だという。

病気や体調不良の子どもを預かる県内の保育施設は
4月1日現在で10市計22カ所。
このうち最も不足しているのは、
インフルエンザや水ぼうそうなどの病気を発症直後で
通園・通学はできないが、
入院するほどではない「病児」を預かる病児保育室。
これらは柏崎市の国立病院機構新潟病院内に
11月開所した「ムーミンハウス」を含めても、
現在4市計7カ所しかない。

ムーミンハウスは、
専用トイレと床暖房のある
隔離室と保育室計5部屋などを完備。
保育士と看護師が子どもの様子を見守り、
検温や薬をのませ、必要なら医師の診察も受けられる。
柏崎市の要望を受け、
病院が福利厚生の一環を名目に設けた。
職員以外の市民の子どもも利用可能だ。

小児科医でもある同病院の院長は
「病児保育は総合的医療の一環として必要。
医療、看護、保育は小児ケアとして
一体と考えるべきだ」と話す。
以前はやむなく入院させていたが、
親の姿が見えなくなる度に泣き出す子どもが目立ち、
病児保育室の必要性を痛感していたという。
   ◇

病児保育への取り組みには自治体により差がある

新潟市はこれまでに、
医療機関に委託して4カ所の病児保育室を開設。
回復期の「病後児」にも対応できるとして、
人口10万人当たり1カ所をめどに整備する考えだ。
来年3月には木戸病院が5カ所目を開く予定で、
市民病院も2013年度以降に設ける計画だ。

市は病児保育室の委託費として、
今年度予算に約9千万円を計上。
新潟市保育課は「病児保育は都市部で需要が高く、
保護者からの要望も多い。
まだ足りないので9カ所を目標に整備する」としている。

一方、長岡市は保育園などに委託して
「病後児」の保育室を4カ所設けているが、
病児保育室はまだない。
長岡市保育課は「病児保育は難しい状況。
市民からあまり要望もない」とし、
「病後児」の施設をあと1カ所増やす方針。
病児保育室も、需要があれば検討するとした。

県児童家庭課は「病児保育にこだわると施設数が増えない。
病後児保育を広げるのも一つのやり方だ」とし、
「まだ増やす必要がある。
市町村ごとのニーズに応じて対応したい」と話している。
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