わが子の面影アスナロに重ね 石巻・大川小の遺族ら植樹


河北新報
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東日本大震災の津波で、
全校児童の7割に当たる74人が死亡、
行方不明になっている宮城県石巻市大川小で3日、
遺族が犠牲者の冥福を祈り、
アスナロの木125本を植えた。
親たちは苗木に亡くした
わが子の姿を重ね合わせ、木の成長を願った。

遺族に加え、大川小の児童や卒業生ら
計約150人が参加。
木は同小のPTA会報誌「あすなろ」の
名前にちなんで選んだ。
とある夫妻は6年生だった長男を亡くした。
4年生だった長女は行方不明のままだ。
「2人のために親の手で木を植えてあげたい」と参加した。
大川小では児童108人のうち70人が死亡、
4人の行方が分からない。
教職員も当時学校にいた11人のうち9人が死亡、
1人が行方不明になっている。
不明者の捜索態勢は縮小されつつある。
夫妻は10月、他の不明児童の家族とともに、
石巻市に捜索の継続を求める要望書を提出した。
「長女が見つからないと、気持ちに区切りをつけられない。
他の家族も同じ気持ちだと思う」と話す。

夫妻が選んだ苗木は兄妹を思い、
大きい苗と小さい苗の2本。
同じく津波の犠牲になった
仲良しの友達の苗木と並んで植え付けられた。
「子どもたちの成長は見られなかった。
でも、この木がすくすく育ってくれたら、
悲しい時は木に会いに来られる」。
夫妻は2本の苗木に優しく土をかぶせた。
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