2009年~2011年 首都圏“待機児童”レポート 認可保育園への入園が引き続き困難な中、 母親の働き方により、認可外保育所や幼稚園などに預ける割合が増加


毎日jp
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株式会社ベネッセコーポレーション(本社:岡山市)の
社内シンクタンク「ベネッセ次世代育成研究所」では、
2011年10月に、2011年4月に向け首都圏の認可保育園に
入園申請をした母親967名を対象に、
入園申請・結果・利用の実態、子育て支援へのニーズなどについて
インターネット調査を実施しました。
本調査は2009年から毎年、行っており、3か年の比較も行いました。
主な調査結果は次のとおりです。

1. 認可保育園への入園は、2009年47.2%から2011年37.5%に低下している。
3か年を通して、4月時点で子どもの預け先が決まらなかったために、
仕事や再就職を断念した母親は5割を超えている(2011年は58.6%)。

2.母親が「パートタイム・アルバイト」の家庭
幼稚園への入園割合がやや増加した(2009年1.4%→2010年3.5%→2011年8.6%)。

3.2011年、保育施設について母親が重視している点
「通いやすさ」が最も多く、入園申請時点・現在とも80%を超えている。
子どもを実際に入園させて
母親の重視点が最も増加するのは「保育内容・プログラム」で、
36.4%から46.6%に変化しており、
より内容面を重視するようになっている。

4.2011年、「子どもを保育施設に預けることについての考え」は、
「子どもが集団生活の中で必要なことを身につけられる」(97.2%)、
「仲間がいる環境は、子どもの成長のためによい」(97.1%)といった
子どもの成長のためが高く、
次いで、「安心して働くことができる」(93.4%)と
ポジティブにとらえている。
(「とてもそう思う」と「ややそう思う」を合わせた数値。)
保育制度に対するニーズは、
「保育施設の数・募集定員の増加(待機児童の解消)」が
最も高く61.6%を占める。

3か年を通して行った母親を対象とした
認可保育園の待機児童調査結果から、
首都圏において、認可保育園への入園は十分には
改善されていないことがわかりました。
しかしながら、母親の働き方によって、
認可外保育所や幼稚園などに預ける割合が増えています
その結果、どこにも子どもを預けていない割合は
2009年に比べて減っています。
幼稚園への入園が増えた背景には、
幼稚園の預かり保育の充実(保育の長時間化)により、
共働きの家庭でも幼稚園を利用しやすくなっていることが
あると思われます。
子どもを保育施設に預けることについては、
多くの母親が、「集団生活の中で必要なことを身につけられる」など、
子どもが育つ環境としてのよさをあげています。
自治体を中心に、預け先についての情報提供や、
母親の働き方と子どもの預け先のマッチングを推進させることが、
待機児童解消にさらなる効果をもたらすと言えます。
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