地元の反対経て昨春開業した職員向け保育事業、利用者ゼロで終了へ/相模原


カナロコ
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相模原市の市職員労働組合と市職員厚生会が、
昨年4月に始めた職員向け保育事業について、
年間を通して利用者がいなかったため、
2012年度は実施しない方針を固めたことが29日、分かった。
職員の子育て支援と、保育所待機児童解消への貢献を目指した
全国的にも珍しい自治体の事業所内保育だったが、
利用者のニーズをつかみきれなかった。

市役所近くの職員向け福利厚生施設
「職員倶楽部(くらぶ)」(中央区)の1階を、
組合と厚生会が約1800万円をかけて改修。
市内の認定保育室が運営し、
20人の乳幼児を受け入れる予定だった。

しかし、入所希望は6件にとどまり、
最終的にはほかの保育所に入所した。
事前の希望調査は行ったが、
「出先機関に異動になった場合を考え、
実際は自宅近くの保育所を希望する職員が多かった」(担当者)という。
東日本大震災の影響で、
改修工事の完成が4月末にずれ込んだのも
募集に響いたとみられる。

両者はこれまでに、認定保育室に
保育士2人分の給与など約370万円を支払っていたが、
利用の見通しが立たないため、閉所の方針を決めた。
改修したスペースは、育児休暇中の職員が
集まれる場などに活用する予定という。

開所を巡っては、周辺住民が「事前に説明もなく、
住環境に影響が出る」と一時反対。
29日に開いた住民向け説明会では、
出席者から「住民の反発もあって、
利用しづらかったのでは」と
開所の際の手際の悪さを指摘する声もあった。
担当者は「待機児童解消の一助になればという
取り組みだったが残念」としている。
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