認可保育所 入れなかった家庭 料金の差額補助、23区で相次ぐ

認可保育所は満員で入れない家庭が多い(板橋区の保育所)
日本経済新聞
------------------------------------------------
東京都内の自治体が相次いで
認可保育所に入れなかった家庭への助成を拡充する
認可保育所と認証保育所の料金の差が大きいため、
この差額を補助するほか、比較的料金の安い施設を整備する。
認可外保育所の料金が高く、
子供を預けることをあきらめる家庭も少なくない。
負担を軽減することで女性の社会進出を後押しする。

荒川区は2012年度から、認証保育所を利用する保護者に
認可保育所との保育料の差額を全額補助する。
保育料は親の収入や子供の年齢で異なるが、
同区によると、認可保育所は平均で月額約1万8000円、
認証保育所では約6万円と違いが大きい。
現在も認証保育所に子どもを預ける家庭に
月1万1000円~1万3千円を補助をしているが、これを拡充する。
対象となる児童は約120人を想定。
12年度予算案に3550万円を計上した。

中央区はすでに認証保育所や認定こども園など
認可外保育施設を利用している家庭に
最高で月5万円を助成している。
認可保育施設に入所した場合との
負担の差を月1万円前後に抑えている。

低負担で利用できる施設を区が独自に設置するケースもある。
板橋区は4月1日、認可外保育所「高島平保育ルーム」を開設する。
利用料は月額1人2万5000円と、区内の認証保育所の半分以下。
約100平方メートルの施設で1歳児と2歳児を計20人預かる。
運営は民間業者に委託する。

中野区は11月、国家公務員宿舎を活用した
保育ママによる保育施設を新たに開設する。
空室となっている宿舎を低額で借り受ける。
運営は非営利組織(NPO)法人などに委託する。
保育料は最高で3万円とする。
世田谷区も来年4月、グループ型の保育ママ事業を始める。
約15人の子供を預かる。
認可保育所の園庭なども利用可能にする。
保育料は2万5千円。

都によると、11年4月時点で、
認可保育所への申込者が19万7788人で、
入れたのは17万8955人だった。
------------------------------------------------