「保育料無料」で保育園申し込みが急増


朝鮮日報
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予算5237億ウォン追加

政府は、所得下位70%の世帯だけに支援していた
0-2歳児の保育園・保育所での保育料
(月28万6000ウォン-39万4000ウォン=約1万9600円-2万7000円)を、
来月から高所得層を含む全世帯に支援する方針を打ち出した。
このため、専業主婦までが乳幼児を保育園に
預けようとしていることが分かった。

ソウル市城北区A保育園では、
3月からの入園を予定している乳幼児7人のうち4人の母親が
専業主婦だということが分かった。
この保育園の院長は「政府が(全世帯を対象に)保育料を
無料にするとの話が広がったため、自宅で子供を見ていた
専業主婦の申し込みが大幅に増えた」と話す。
2-4歳の子供たちを中心に預かってきた同市道峰区のB保育園は、
今年初めて0歳児クラス(生後12カ月未満)を設ける予定だ。
これを知り入園を申し込んだ子供の母親は、
2人とも専業主婦だった。
このうち1人は生後150日の乳児を
保育園に預けることにしたという。

忠清北道清州市のC保育園園長も
「今年3月に入園させたいと問い合わせてきた母親は
ほとんどが専業主婦」と話している。
京畿道城南市のD保育園園長は
「乳児を中心に預かる家庭保育園(マンションや一般住宅など、
個人宅で子供を預かる小規模な保育施設)で
特に専業主婦の申し込みが殺到している。
子供を預けないのは損』という考え方が広がっているため、
こうした現象が起きている」と語った。
慶尚南道昌原市のE保育園園長も
「今年乳児を預けたいと問い合わせてくる母親は、
10人中7人が専業主婦」と話している。

このため、一部では「政府は、国民から集めた税金を
使ってまで裕福な家庭の保育料を無料にする必要があるのか」
という声が上がっている。
夫が歯科医師で年間所得1億ウォン(約680万円)を
超えるという専業主婦は、
今年3月から満2歳の息子を保育園に預けようと、
昨年末に申し込みを済ませたという。

外で働いていない中間層・高所得層の専業主婦たちが
「保育料が無料だから」と子供を預けることで、
必要性に迫られて働きに出ている母親たちが
子供を預けられないケースも出ている

昨年末に出産した京畿道盆唐市の女性(31)は
「5月に職場復帰しなければならないため、
4月ごろ保育園に子供を預けようと調べたが、
近所の保育園は3カ所とも空きがなかった」と訴えた。
このような現象について、専門家たちは
「全世帯を対象とする保育料無料化が
裏目に出たケース」と指摘する。
専業主婦でも子供が多い、あるいは自身の体調が悪く
保育園に子供を預ける必要があるというケースも少なくない。
こうした場合は支援が必要だ。
だが、高所得世帯の専業主婦が保育園に子供を預けるために
税金を使うのは『必要な人に必要なだけの福祉』という
福祉政策の基本原則に反しており、
財政の無駄遣いにつながる。フランスなど先進国でも
0-2歳の乳幼児はできるだけ家庭で育てられるよう支援しており、
保育園を利用する場合は共働き世帯を優先することが多い。
韓国政府は、今年0-2歳の保育料支援対象を全世帯に
拡大したことに伴い、
昨年比5237億ウォン(約358億円)増の
1兆9080億ウォン(約1306億円)という予算を割いている。

ソウル女子大学児童学科のムン・ミオク教授は
「0歳から2歳まではできれば親が家庭で子供を見る方が、
成長・発達や愛情関係の形成にいい。
現在の福祉政策は保育園に子供を預ける必要がない
人まで預けている」と話している。

キム・ヨンジュ記者
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