千葉市、幼保一体型の独自施設2カ所開設 民間幼稚園を活用


日本経済新聞
------------------------------------------------
千葉市は4月、既存の幼稚園に保育所を併設して運営する
市独自の幼保一体型施設を市内2カ所に開設する。
幼稚園施設を活用、保育所を増やして
待機児童の解消につなげる狙い。
定員に余裕のある幼稚園の効率運営につながるほか、
利用者にとっても選択肢が広がる。
政府が目指す幼保一体の
「総合こども園」創設の動きもにらむ。

中央区と美浜区で民間運営の幼稚園と一体化した
認可保育所を開設する。
定員は2カ所とも30人。すでに利用者の募集を始めた。
調理室や乳児向けの部屋など保育所に必須の設備を新設、
保育士も雇用する。
3歳以降は子どもの成長や働き方など
保護者の生活の変化に合わせ、幼稚園に通わすか、
保育所に通わすかを選択できる。

遊具などは幼稚園と共有し、
保育所と幼稚園の合同行事も開く。
市はこうした点が教育効果を高めると見ている。

千葉市では待機児童が300人を超える一方、
幼稚園の入園率は約75%と定員に余裕がある。
今後の少子高齢化の進行をにらむと
保育所の単純な新設は将来の設備余剰につながりかねない
既存の幼稚園の設備の有効活用が得策と判断した。

4月開設の2カ所には、保育所部分の増設にかかる費用を
それぞれ約2300万円補助する。
来年度も2件程度の一体型施設を整備する方針だ。

千葉市は(1)駅隣接の保育所
(2)調理室のある本園を核に複数の分園を営む
「サテライト型」の保育所の整備
(3)既存保育所の建物改修による定員増――
などの施策も進める。
今年4月1日時点の待機児童数見込みは
140人と大幅に減る見通しだ。
------------------------------------------------