少子化歯止めへ美浜町構想


福井新聞
------------------------------------------------
人口減少に悩む福井県美浜町の少子化対策構想がまとまり
十五日、同構想策定委員会(浅妻茂美委員長)が
山口治太郎町長に答申した。
現在九カ所ある保育所を四カ所に統廃合し、
各保育所のサービスを充実させる案などを盛り込んだ内容で、
山口町長は「町政の大きな柱として
取り組んでいきたい」と述べた。

同町は、女性が一生の間に生むと推定される
子どもの数(合計特殊出生率)が一・五一と
県平均の一・五七を下回っている(一九九九年現在)。
このままでは二〇二五年には人口が
現在の半数になるという予想もあり、
町では昨年十月に保育士や母子保健推進員、
母親クラブ代表ら町民十二人を構想策定委員に委嘱。
福祉、保健、医療の三分野から少子化対策を探った。

同町の保育所児童数は現在、ピーク時の
一九七〇年代後半に比べて半減。
施設の老朽化も進んでおり、
同構想は二〇一〇年度を最終目標と定めて
できるだけ早く保育所を統廃合するよう求めている。
その上で延長保育や障害児保育、
一時保育などのサービス充実を目指すという。
同町によると、核になる四保育所は
丹生、耳、西郷、山東の各地区に設ける方針。

保健の分野では、妊産婦、または不妊に悩む女性のための
相談機関の必要性を強調。
育児ボランティアの養成や組織化などを訴えている。
医療の分野では、二カ所の町立診療所に医師を常駐させること、
二〇〇三年に開設する公立小浜病院の分院
「レイクヒルズ美方病院」と町立診療所との連携を
密にすることなどを求めた。

答申した浅妻委員長は「少子化に歯止めをかけるには
福祉、保健、医療を充実させる前に、
町の生活基盤を整えることが重要」と町幹部に提言。
出席した委員も雇用や住宅地が不足していることなどに触れ
「若者が帰ってくる町づくりが先決」と強調した。
山口町長は「少子化対策は緊急の課題。
十分に検討し、実行していきたい」と述べた。 
------------------------------------------------