千葉県の除染計画、子ども向け施設を優先


日本経済新聞
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千葉県は19日、東京電力福島第1原子力発電所の
事故による放射能汚染を受け、県内の除染計画を策定した。
空間放射線量が高かった県の施設を対象に、
子どもの利用頻度を基にした優先度を付けて除染を進める。
公園や県立高校など子どもが集まる場所は
2012年度中の除染完了を目指す。
除染重点地域である8県の中で
他県に先駆けて計画を発表した格好だ。
 計画は環境省のガイドラインに基づき
空間放射線量が毎時0.23マイクロシーベルト未満、
追加被曝(ひばく)線量が年間1ミリシーベルト以下に
なることを目標とした。

地表1メートルで毎時0.23マイクロシーベルト以上を
測定した県の施設77カ所が対象。
子どもの利用頻度に応じて優先度を
A~Cの3段階に分けた。
利用が多いAに分類した高校や公園など
46施設は6月にも作業を始める計画で、
今年度中に除染を終える。

県立の特別支援学校は9月末までに作業を完了する。
B~Cに分類した浄水場などの施設については
具体的な時期を明言せず「可能なかぎり早く実施する」
(災害復旧・復興本部)とした。

作業は専門業者に委託する。
落ち葉など片付けが簡単なものは県職員が作業し、
自治会やPTAなどの協力も求める。
県は地面を削る、芝を刈るなど様々な除染手法の効果を
検証しており「結果を見て最も効率的な方法をとる」。
除去した土などは容器に入れ囲いで覆うなど
放射性物質が飛散するのを防ぐ処置をして
その場で一時保管する。

費用は国が負担するが「汚染状況重点調査地域」に
指定された9市に含まれない地域の
施設の除染費は県が負担。東京電力に賠償請求する。
県は今年度5億円の予算を設けているが
総額は「見当がつかない」(同)。

計画策定を受け森田健作知事は
「すぐに人口減に歯止めがかかるかはわからないが、
なるべく早く除染を進めないといけない」と話した。
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