子ども医療費助成、富山市が拡充へ 金沢に対抗


朝日新聞
------------------------------------------------
富山市は2012年10月から、
子ども医療費の助成制度を拡充する。
通院は未就学児から小学生に、
入院は小学生から中学生まで助成範囲を広げる。
安心して子育てができる環境を整え、
多くの人から選ばれる都市にすることが狙い。
ただ、背景には同じ中核市の金沢市に
引けを取りたくないとの本音もあるようだ。

拡充するのは「こども医療費助成事業費」。
今年度当初予算に約8億9340万円を計上し、
前年度比で約1億3千万円増額した。
10月から拡充を始める。

小学生が通院でかかった費用のうち、
千円を超える部分を富山市が負担する。
中学生が入院した際には未就学児や小学生と同じく、
医療費は無料になる。
児童手当法が定める所得制限に
準拠した規定に触れなければ、助成対象になる。

富山市は、子ども医療費助成制度を段階的に充実してきた。
01年7月から未就学児の通院と
入院にかかる費用の助成をスタート。
09年10月に入院に限って助成範囲を小学生まで広げた。

財政難の中、どうして富山市は制度拡充に取り組むのか。
背景には、富山市より早い11年度に
子ども医療費の助成範囲を広げた
金沢市の存在が大きい。
富山市の高城繁福祉保健部長は「選ばれる都市になるために、
隣接の中核市に引けを取るわけにはいかない」と話す。

その金沢市は昨年10月、通院は未就学児から小学3年に、
入院は小学生から中学生まで助成範囲を広げた。
いずれも千円を超える部分を市が負担する。
市健康総務課によると、
さらに通院を中学生まで拡大することを検討しているという。

富山市こども福祉課の担当者は
「拡充するにしてもキリがない。
財政負担が膨らんでしまう」。
限られた財源の中で選ばれる都市になるために、
担当者は頭を悩ませている。
------------------------------------------------