隠岐諸島唯一の幼稚園閉園…島根


YOMIURI ONLINE
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保育行政変化や後継者不在

隠岐諸島唯一の幼稚園「文化学院幼稚園」の閉園式が
24日、同園で開かれ、園児や卒園者らが音楽演奏を楽しんだり、
思い出話に花を咲かせたりしながら、
約50年の歴史に幕を閉じた。

同園は、県立隠岐高校教諭だった高宮ササ子さん(故人)が、
私財を投じて1963年に創設。
島の幼児教育の草分けとして、
学校法人隠岐女子文化学院が運営してきた。

これまでに計約800人の子どもたちが通園。
今年度は15人の園児が、
島の自然の中で音楽と一緒に体を動かす「リトミック」を通じて、
より良い音楽を聴く耳や、自由に表現できる体と心を育んできた。

しかし、国の保育行政の変化や、
高宮さんの娘にあたる同学院の中川恵子理事長(69)が
高齢となり、後継者がいないことから、閉園を決めた。

この日の閉園式には、園児や卒園者、保護者ら約140人が出席。
山陰フィル弦楽アンサンブルの演奏を楽しんだり、
子どもたちが中川理事長や教諭に花をプレゼントしたりした。
中川理事長は「また遊びに来てね」などと、
教え子に語りかけていた。

式後、中川理事長は「皆さんに支えられながら、
閉園することができ、感謝と喜びでいっぱい」と話し、
子どもたちは「寂しい」と言葉少なだった。
園児らは今後、保育園などに通う。(彦根進一、佐藤祐理)
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