保育室から幼稚園 優先入園 幼保連携、横浜市が独自策


日本経済新聞
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横浜市は幼児教育と保育を両立した独自事業に乗り出した。
原則2歳児まで預かる保育施設「横浜保育室」と、
近隣で預かり保育をしている私立幼稚園が連携。
保育所とほぼ同等の預かり時間を確保しながら幼児教育をする。
2012年度から市内6地域でモデル事業を始めた。
既存の幼稚園を活用し、共働き家庭の子育て環境を充実させる。

横浜保育室にいる幼児を3歳から、
最寄りの幼稚園が預かる事業を始めた。
午前7時半から午後6時半まで預かる
私立幼稚園に市が呼びかけ、
保育室の幼児を優先的に入園できるようにする。
市は正規教育時間の前後でも子どもを預かる幼稚園に
運営費を補助する事業をしており、
市内幼稚園全体の4割強となる
約120園で現在預かり保育している。

12年度は幼稚園6カ所、横浜保育室10カ所が連携。
神奈川区や磯子区など6区でモデル事業を始めた。
保育室の幼児が幼稚園に入れられる優先枠の設定や、
幼児を幼稚園に招いた交流活動の実施など、
連携事業の枠組みを検証していく。

横浜保育室は原則2歳までの預かりを条件に、
園庭の広さなど認可保育所の設置基準を満たさなくても
運営助成する横浜市の独自制度。
現在150カ所程度(総定員約5000人)ある。
十分な広さが確保できずに認可保育所の開設が
幼児の増加に追いつかない地域を中心に増やしてきた。

だが3歳以降は、定員に余裕ができる保育所に移る。
新たな入所手続きが必要で、
地域により3歳以降の幼児も空きが少なく、
自宅から離れた保育所に預ける場合もある。

横浜市の待機児童数は10年4月が1552人だったが、
11年4月は971人に減少。
12年4月は300人前後になったもようだ。
13年4月の待機児童解消を目指し、
保育所や横浜保育室などの開設を増やしている。

だが共働きを希望する子育て世帯は
今後も増えると見込まれ、保育施設の充実が課題だが、
横浜市内で認可保育所開設に
必要な場所の確保は難しくなっている。
そのため、認可保育所より設置基準が容易な横浜保育室や、
既存の幼稚園の活用を進める。
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