八女の学校給食に竹製食器


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竹を原料にした給食用の食器が、
八女市内の小中学校で導入される。
市内に多い竹林の間伐材などを有効利用しながら、
児童や生徒の環境教育にも
役立てようという取り組みだ。(緒方慎二郎)

食器は、竹の粉末にトウモロコシから作った
樹脂を混ぜた原料で製造。
製品化を目指す大阪市の食器メーカーが開発し、
2009年から旧立花町の小中学校と保育所で
試験的に利用してきた。

八女市はこれまで強化磁器を使っていたが、
試験利用した各校で、「軽くて持ち運びが楽」
「熱が伝わりにくく持ちやすい」
「食材がくっつかず、食べ方がきれいになった」などの
高い評価が得られた。

さらに竹製食器は、製造、廃棄などの際の
二酸化炭素排出量が、
ポリカーボネート製の約3分の1に抑えられるという。
このため、給食センターの食器洗浄機が合わない
旧黒木町を除く市全域で本格導入することを決めた。

食器は、大小のわんと皿の計4種類。
計画では、12年度の1学期から7中学校、
1500人分の利用を始め、
2学期以降に小学校を中心とした15校、
3500人分にも導入する。保育所でも利用する。

市によると、市内には全国でも有数の
約2460ヘクタールに及ぶ竹林があるが、
うち約1900ヘクタールは管理が行き届いていない。
竹林が放置されると、地下茎が周辺の農地や山林を侵食したり、
災害の原因になったりする。
このため間伐を進めなければならないが、
間伐材の有効利用が課題になっている。

市林業振興課は「竹林の環境保全だけでなく、
二酸化炭素排出量削減などの
環境教育にもつなげたい」と話している。
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