母子家庭 自宅で職業訓練


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県は、母子家庭で子育て中の母親たちが
自宅でパソコンの職業訓練を積める事業を始めた。
長引く不況で母親たちの就職が厳しさを増す中、
8000万円の事業費を計上。
増加する母子家庭の生活支援に乗り出した。(橋谷信吾)

「家事と訓練が両立できるなんて、とてもうれしい」

山口市のホテルで6日に開かれた県在宅就業センターの開講式。
母子家庭で、9歳と7か月の男児を育てる
宇部市の女性(31)は貸し出されたノートパソコンを見て、
ありがたがった。

女性は同センター訓練生の1人。
現在無職だが、パソコンの技術を習得して
在宅でできる仕事に就くつもりだ。

県の調査によると、2007年の県内の母子家庭は
1万6128世帯で、02年より1255世帯増加。
現在も増加傾向とみられる。
また、そのうち約1900世帯の抽出調査では
7割以上が年収300万円以下だった。
母子家庭では、子どもが家にいる土、日曜日が休日となる
事務職などを希望する親が多いが、
募集は少なく雇用状況は厳しいという。

県は今年度、こうした母親たちにパソコンのデータ入力など
自宅でできる仕事に就く訓練をしてもらう事業を開始。
業務はIT企業や人材派遣会社など
3社でつくる事業体が代行している。

応募があった108人から試験で選ばれた
40人(10~40歳代)の訓練生が、
9月まで月5万円の手当を受けながら、
インターネットの動画で講義を受けたり、
月2回程度の集合学習で
パソコン業務の基礎を学習したりする。

10月~来年3月の手当は月2万5000円に減るが、
事業体が県内外の企業から受注したデータ入力作業や
ホームページ作成・更新業務などを請け負って給料をもらう。

訓練修了後に手当がなくなっても、
身に着けた技術を生かして
副業として業務を続けることで
安定した収入を目指すという。
県は今回の訓練生の成果次第で、
来年度以降も事業を継続するかどうか検討する。

母子家庭の支援事業については、
このほか、県から委託を受けた
県母子福祉センター(山口市)が、
母親の就業相談、医療事務やホームヘルパー2級など
資格取得の夜間講習会を開いている。
問い合わせは同センター(083・923・2490)へ。
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