地震速報:老人ホームや保育所に 受信端末設置へ寄付募る−−神戸のNPO /兵庫


毎日jp
------------------------------------------------
 ◇「弱い立場の人、守りたい」

地震発生直後に強い揺れが来ることを知らせる
「緊急地震速報」の受信端末を
保育所や老人ホームに設置する活動を、
神戸市東灘区のNPO法人「M3rd(エムサード)」が始めた。
市民や企業からの寄付金をもとに寄贈する活動で、
今週、垂水区の老人ホームに1台目を贈る。
同法人の代表、木村功さんは
「弱い立場の人を守りたい」と話している。

寄贈する端末は、インターネットに接続し、
自動的に警報音を鳴らすシステム。
所在地から震度や到達時間を予測してアナウンスするため、
強い揺れが来る数秒から数十秒前に
身を守る行動をとることができる。

緊急地震速報はテレビやラジオ、一部の携帯電話でも流れるが、
電源が入っていなければ受信できない。
東日本大震災の被災地では、
緊急地震速報を活用した避難訓練をしていた小学校で、
児童が落ち着いて避難できたケースがあった。

東日本大震災を受けて文部科学省はすでに、
全国すべての国公私立学校約5万2000校に、
今年度から受信端末を整備する方針を決めている。
しかし、保育所や老人ホームは対象外で、
木村さんが寄贈を思い立った。

同法人は10年、全国のNPO法人に情報技術を提供し、
情報発信を手助けする組織として設立。
緊急地震速報の受信端末の開発会社
「Takusu(タクス)」(大阪市北区)が木村さんの趣旨に賛同し、
利益を見込まずに提供するため、
1台あたり15万円で設置できるという。

木村さんは「税の優遇措置を受けられる」として、
特に法人の寄付を求めており、
寄贈先の提案も受け付けている。
寄付の方法、問い合わせは同法人
(電話078・201・8093、
ホームページhttp://m3rd.jp/)へ。【内橋寿明】
------------------------------------------------