ギャルママ:町工場の星! 育児グッズ開発で連携


毎日jp
------------------------------------------------
円高に苦しむ東大阪市の中小企業6社が、
独特のメークや派手なファッションで存在感を増す
「ギャルママ」と組んで
独自ブランドの育児用品の開発に乗り出した。
ギャルママは全国で「30万人以上」に上るといい、
新たな市場を開拓するとともに、
育児で就職が難しいママたちに
仕事に関わってもらう狙いがある。
7月にも第1弾としてバッグや三輪車、歯ブラシなどを売り出す。

町工場が集まる東大阪市のプラスチック加工業者
「カワキタ」の事務所に今年2月末、
西日本からギャルママ6人が集まった。
「機能重視でかわいくないデザインばかり」
「もっと元気になる色がいい」
「ヒョウ柄やビビッドカラー(鮮やかな色)にしてほしい」。
育児用品への不満や注文が続出した。

同社は、大手メーカーなどの下請けで
子ども向け文具を製造してきたが、
円高でコスト削減を求められ、
新たな生き残り策を模索していた。
そんな時、河北一朗社長(45)が
たまたまギャルママ向け育児専門誌を見て
「独自ブランドを作ろう」と、連携を思いついた。

ギャルママは、歌手の浜崎あゆみさんや
安室奈美恵さんらに影響を受けた
10〜20代の母親たち。
濃い目元メークに巻き髪、派手なファッションが特徴で、
多くがサークルやブログで情報交換している。
イベントなどを主催する
「ママモエンタテインメント」(東京都)によると、
その数は全国で30万人以上、
育児専門誌も月20万部売れるという。

専門誌が各地で開催するイベントで、
カワキタが「一緒に商品を開発しませんか」と呼び掛けるなどし、
これまでに約400人が名乗りを上げた。
同社と三輪車や段ボールのメーカーなど6社が
「ギャルママ商品開発部」を設け、30人が参加。
会議ごとに報酬を支払う。
他の人にもメールなどで協力してもらうことになった。

参加した神戸市の主婦、近沢さん(26)は
3歳と1歳の子どもがいる。
「育児用品は淡い色や不要な絵がついていて、
デザインに満足できない物が多い」と話す。

短大卒業後、就職して1年で
高校時代の先輩と結婚し、主婦になった。
睡眠時間を削って離乳食を作るなど育児を最優先し、
洋服もほとんど1000円台に抑えているが、
中高年の母親からは「そんな格好で育児なんて」と言われる。
「同年代の母親が少ない中で助け合っている。
若くて派手なだけで不十分な母と思われるが、
育児とファッションは手を抜きたくない」

ママモ社の小口智弘営業部長は
「働いた経験の少ないギャルママの多くは、
何とか社会参加したいと思っている。
中小企業との連携は初めてだが、
成功すれば大きなモデルになる」と期待を寄せている。【稲生陽】
------------------------------------------------