学童クラブ:受け入れ限界に 5施設で定員オーバー、一部で待機児童も−−行橋 /福岡


毎日jp
------------------------------------------------
◇働く母親、新興住宅増で 行橋市「具体策は白紙」

放課後に児童を預かる学童保育で、
行橋市内の利用者が年々増え、
2年連続で6000人を突破した。
新規の住宅建設で人口が流入したのに加え、
働く母親が増えているのが原因。
5カ所の児童クラブで定員をオーバーしたうえ、
一部で待機児童が出る事態となり、
市は抜本的な対策を迫られている。【山本紀子】

行橋小児童クラブ(定員50人)はいま、
68人が在籍している。
超過人数は市内で最も多い。
昼食時は約28畳の部屋に
子供たちがぎっしり並んで座り、弁当を食べる。
部屋の隅にはコの字形にロッカーが並ぶが、
数が足りずに買い足した。
希望者全員が入所することはできない状況で、
現在は4〜5人の待機児童がいるという。
主任指導員は「祖父母がいるご家庭や、
今から仕事を始めてクラブを利用しようという方には、
やむなく待ってもらっています」と話す。

市内12カ所の児童クラブの利用者は
▽08年度5226人▽09年度5645人
▽10年度6061人▽11年度6086人
(年間の延べ人数)と年々増加。
行橋市児童家庭係の丸山剛係長は
「働く人が多くなり2〜3年前から急増し、
慢性的に満杯のクラブがある」と話す。
定員の2割増程度なら弾力的に入所を認めているといい、
現在は行橋小▽行橋北小▽延永小
▽泉小▽コスモス−−の
5クラブで定員を超えているという。

厚生労働省のガイドラインでは、
学童保育を利用する児童一人につき
1・65平方メートル以上の面積を
確保することが望ましいとされ、
入所者を無制限に増やすことはできない。
行橋小の児童クラブは一昨年に新築し、
増築のチャンスだった。
しかし、高層マンションや新興住宅の建設による
児童数の増加は予想を上回り、
「あの時にもっと大規模な体制にしておけば……」と
担当者が嘆く事態になっている。

大都市では民間企業が学童保育に参入し始めている。
北九州市は公設民営でクラブを運営しており、
ほぼ全域で小学6年生まで受け入れている。
行橋市は3年生までの保育で、
民間の保育園への運営委託1例にとどまっている。

行橋市が今後のニーズを調査したところ、
14年度の潜在的な利用者は
年9800人程度に上ると試算された。
児童家庭係は「対策が必要」と認めるが、
具体的な施策作りは白紙だという。
------------------------------------------------