滞納保育料、子ども手当の天引き相次ぐ 奈良県


朝日新聞
------------------------------------------------
滞納された保育料について、
子ども手当から天引きする自治体が奈良県内でも相次いでいる。
国が、保育料や給食費などの滞納について
天引きできるよう制度を改めたためだ。

子ども手当は中学生までの子どもに支給され、
従来は1人当たり月1万3千円だったが、
昨年10月から、0~3歳未満と
第3子以降の3歳~小学生は1万5千円に増額され、
第1子・第2子の3歳~小学生と中学生は1万円に減額された。

生駒市では昨年10月~今年1月分の
子ども手当が一括支給された今年2月分から、
76人分、計77万円を徴収した。

市こども課によると、保育料の滞納は例年、
全体の1%前後を占め、2010年度は年間402万円で、
累計は1458万円に達した。
保護者の説得だけでは解決できないため、
徴収に踏み切ったという。

対象は以前にも滞納があり、未納が続いているケースで、
分割などであっても支払いの意思がある場合は除いた。
徴収したのは、10月が28人、11月20人、
12月16人、1月12人。
保護者には事前に、徴収額や差額の子ども手当支給額を記した
「保育料特別徴収通知書」を送ったという。

こども課は「強制的な徴収は不本意だが、
公平性を保つためにはやむを得ない」とし、
新年度も引き続き徴収するという。

教育委員会も保護者の同意を得て
学校給食の滞納2件、2万8710円を子ども手当から徴収した。
新年度は修学旅行の積立金や教材費などにも
対象を広げるという。

保育料の天引きをめぐっては、
橿原市も天引きで10件徴収したという。
天理市は子ども手当を現金化し、
窓口で支払ってもらったケースが3件あった。
宇陀市も1件を天引き。
3市とも保護者の同意を得ているという。
大和郡山市も新年度中に導入する予定という。(東裕二)
------------------------------------------------