発達障害に理解深めて 県がサポートブック発行


岩手日報
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県は、保育士や乳幼児を持つ親向けに
発達障害児の特徴、接し方などをまとめた
「いわてこども発達支援サポートブック」を発行した。
発達障害児の成長には家庭や教育機関だけでなく、
地域など周囲の理解と協力が不可欠。
サポートブックは計3種類で
県は市町村を通じて保育園や保護者に冊子を配布し、
理解と対応に役立てる。

保育士ら指導者向けの冊子は
A4判カラー47ページ、全7章で構成。
医師ら専門家や実際に発達障害児に関わっている保育士が編集し、
写真、イラストを用いて実例などを説明しているのが特徴だ。

例えば1日の流れを伝える時には分かりやすく
絵を使って説明することや、集中力が低い子どものために
間仕切りを作るなどの対応方法を解説。
相談が可能な各専門機関なども紹介している。
保護者向けには、冊子とリーフレットを作った。

発達障害は、他人と関わるのが苦手な自閉症、
じっとしていられず衝動的な行動が多い
注意欠陥多動性障害(ADHD)、
特定能力に習得の困難さがある学習障害(LD)などの総称で、
子どもの頃から症状が現れる。

盛岡市手代森の県立療育センター内の
「発達障がい者支援センター」への相談は
2005年の設置から毎年数百件単位で増え、
11年度は計1800件。
医療機関からの紹介が増えたことや
同じ人が繰り返し相談することが増加の要因で、
「子どもや孫との関わり方が分からない」
「学校でうまく友人をつくれないようだ」などの
相談が寄せられている。

サポートブックは計約3万6500部作成。
県のホームページから見ることもできる。

県は保育士や専門相談員ら支援者向け研修会で紹介し、
具体的な活用方法を周知。
相談員が保護者向けに行う勉強会でも教材として使用する予定だ。

【写真=県発行の「いわてこども発達支援サポートブック」。
発達障害児の特徴や対応ポイントについて実例を交えて紹介している】
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