母から虐待の記憶つらい


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20代主婦。子どもの頃、母から虐待を受けていました。
母は大変厳しい人で、絶対服従でした。
幼少期から、食べ物をこぼす程度のミスでも、
母からは大きなどなり声とビンタが飛んできました。
一番悲しい思い出は、4歳の冬の夜、
雪の中に投げ込まれたことです。
なかなか寝付けなかった私に母は怒り、
屋外に放り投げたのです。
こうした行為は中学入学の頃まで続き、
私は母に恐怖心と嫌悪を募らせました。

そんな私も、今は優しい夫と結婚して、
2児の母になりました。
それでも、時につらかった子ども時代を思い出し、
涙が出ます。

母は過去の虐待を忘れているようで、
「お前がまともな人間になれたのは、
私が厳しくしつけたからだ」と言い、
「将来はお前に面倒を見てもらう」と言います。
母の介護なんて嫌でたまりませんが、逆らえません。
母にこんな感情を抱く自分が情けなく、
最低の人間に思えます。
私は心の病気なのでしょうか。(北海道・E子)


母とのかかわりの記憶が
雪の屋外に投げ出されたものとは、
どんなにつらかったことでしょう。
愛されて育った人には、
あなたのような環境の中で
自分をねじ曲げることなく生きていくことの大変さは、
想像できないと思います。

今、あなたは温かい家庭を築かれたのですね。立派です。
厳しさと冷酷さは別のものですが、
それらを混同し「冷酷」を「しつけ」と考えている人がいます。
あなたの母親もその一人でしょう。
冷酷にされるのを恐れて子どもは服従しますが、
それはしつけではありません。
そして、そのことをどんなに話しても理解しようとしないでしょう。

これからは、服従する娘と命令する母という関係から、
自立した大人の自分と年老いた一人の女性との対等な関係に、
母とのかかわりを変えていく時期だと思います。
ご自分ができることを明確にし、
彼女の生活に必要なだけの支援を最低限きっちりとする、
しかし母の過大な要求には屈しない、と決めてください。
あなたのご家族と協力していくことで、
母とのつらいかかわりの記憶から脱却できると思います。
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