[人・華・ひと]境内に子ども呼び込め


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子どもとお近づきになりたくて――。
寺の境内で遊び回る機会がなくなり、
寺に親しみを持つ子どもが少なくなっていることに
危機感を覚えた松江市内の僧侶12人が、
今春、全国でも珍しい僧侶の人形劇団を結成した。
その演出を担当しているのが同市鹿島町、
薬師院住職の小川義真さん(44)=写真=だ。

2008年春に住職に就任。
小川さん自身は境内で遊んだぎりぎりの世代だが、
同世代を含め、団塊の世代より若い人たちの
参拝は少ないのが現状だ。
事情は他の寺も同様で、
市内の真言宗寺院の有志でつくる「八葉会」のメンバーの間で、
子どもやその親に寺に親しみを持ってもらおうと、
昨年末、人形劇をする計画が持ち上がった。

人形劇では僧侶が山姥(やまんば)を退治する民話
「三枚のお札」をアレンジし、
「錫杖(しゃくじょう)」や「三鈷(さんこ)」など
僧侶が持つ用具を登場させ、
仏教になじみを持ってもらえるよう工夫した。
仏やお札は段ボールで手作り。

1か月に2回ほど練習し、
11月の檀家の集まりでまずは大人に披露する。
その後は、各寺院で公演するほか、
幼稚園や小学校で出張公演を行い、
子どもを寺に呼び込めないかと思い描く。

小川さんは「地元の寺の魅力は
坊さんのキャラクター」と考える。
法事で子どもを楽しませようと、
手品を10種類以上習得。
たもとに手品グッズを潜ませている。

「あ、坊さんっておもろいな、と思ってもらえたら」と、
子どもたちが境内に戻る日を楽しみにしている。(岸下紅子)
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