次は「イクジイ」の出番 祖父向け子育て講座、名古屋で


朝日新聞
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育児に積極的な父親をさす「イクメン」は、
すっかり一般的な言葉になった。パパの次はおじいちゃん。
子育てに縁の薄かった団塊世代に
孫の育児にかかわってもらう試みが始まっている。
名古屋市でも26日に講座がある。

名古屋市子ども・子育て支援センターが企画したのは
「パパorおじいちゃんのための子育て基礎講座」。
子育て支援講座で初めて祖父を対象にした。

とはいえ、この世代は「男子厨房(ちゅうぼう)に入らず」といった
価値観の中で育ち、仕事一筋だった人たちも多い。
センターの酒井外美江(とみえ)所長は
「子育てに携われなかった分、孫に関心がある人も多いが、
いざ孫を前にするとソワソワしてお小遣いをあげるだけ。
そこを何とか変えたい」と話す。

講座の中身は、男女共同参画を推進する
NPO法人「エガリテ大手前」(東京都)と考えた。
赤ちゃんの人形を使い、抱っこや沐浴(もくよく)、
おむつ替えの練習、離乳食づくりなどを
6時間半かけて実習形式で学ぶ。
受講後、ワイン専門家のソムリエと
祖父を引っかけた「ソフリエ」と認定する。

エガリテ大手前は、団塊世代が大量退職を迎えた
2年前から、東京や北九州市などで講座を開いてきた。

代表の古久保俊嗣さん(58)は
「腰が引け、赤ちゃん人形を腫れ物扱いで抱いていた人も、
講座後は自信が顔に出る。
『子育ては妻に任せっきりだったので勉強になった』との声もある」。
これまでに150人のソフリエが生まれた。

共働きが増えて育児の手助けがほしい親と、
時間をもてあます祖父。
「おじいちゃんの育児は、
どちらも解消できます」と古久保さんはいう。

このほか、父親の育児支援をする
NPO法人「ファザーリング・ジャパン」(東京都)も昨年、
育児をする祖父を「イクジイ」と名付け、
孫への絵本の読み方指南などの講座を始めた。

愛知県は2010年の国勢調査で、
3世代同居世帯数が21万6226世帯で全国最多。
酒井所長は「大家族の結びつきがある愛知では、
ソフリエ、イクジイが少子化対策の切り札となるかもしれない」と話す。
26日の講座は中区上前津2丁目の
中区社会福祉協議会であり、乳幼児の孫を持つか、
予定がある25人を募集する。参加費800円。
問い合わせは名古屋市子ども・子育て支援センター
(052・262・2372)へ。(加藤勇介)
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