宮城県内の社会福祉施設 震災後、職員の3割精神状態悪化


KoL Net
------------------------------------------------
東日本大震災発生後、宮城県内の社会福祉施設で働く
職員の3割が精神状態を悪化させていたことが、
全国福祉保育労働組合(東京)などの調査で分かった。
非常事態の中、施設利用者の生命に危険が及ばないよう
神経をすり減らしたことや、被災して行き場を失った高齢者らを
新たに受け入れたことによる過重労働が
心身への強い負担につながったとみられる。
 調査はことし2月、同組合と
石倉康次立命館大教授(福祉労働)の研究室が、
高齢者や障害者、児童が利用する115施設の
職員345人を対象に実施。
このうち132人(回収率38.3%)から回答を得た。
 心の状態は、「あまり良くない」が11.9%、
「一時、調子を崩したが回復」が17.8%で、
震災後に精神的な状態を悪化させた職員は計29.7%に上った。
体調は、「あまり良くない」が9.1%、
「一時、調子を崩したが回復」が14.9%で計24.0%だった。
震災後の勤務状況は、
「泊まれる職員は泊まり込んだ」が72.9%。
一部施設が避難所になったことなどから、
「通常とは別の業務が増えて職員の体制に困った」との
回答も26.4%あった。
 施設利用者の変化については、
「健康状態が悪化」「心理的に落ち込むことが増えた」
「新しい利用者が増えた」がいずれも2割前後だった。
 石倉教授は「利用者の生命を守る責任感や、
新たな利用者を受け入れて仕事が増えたことが
ストレスにつながった」と分析。
「非常事態に備え正規職員を増やし、
他施設との連携体制を築いておくべきだ」と、
人手の確保の必要性を指摘している。
------------------------------------------------