ワクチン効果か、患者半減 子どもの細菌性髄膜炎


中国新聞
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子どもの細菌性髄膜炎を予防する
インフルエンザ菌b型(ヒブ)ワクチンの
公費接種が広がった2011年に、
ヒブ感染により髄膜炎になった0~4歳の患者発生率が、
その前3年間の平均と比べて半減したことが、
厚生労働省研究班の調査で24日までに分かった。

ワクチンの公費助成が同時に始まった
肺炎球菌による髄膜炎も、11年は同じく25%減少した。

主任研究者の庵原俊昭いはら・としあき・国立病院機構三重病院長は
「公費助成によるワクチンの普及が
成果を出しつつあるとみてよい」と話している。

両ワクチンの公費助成は10年11月から
本年度末までの時限措置。
厚労省は13年度から、原則無料の定期接種にする方針で
財源の調整を進めており、こうした政策の実現を後押ししそうだ。

細菌性髄膜炎の主な症状は発熱だが、
治療が遅れると死亡したり、
発達障害などの重い後遺症があったりする。
乳幼児ではヒブが原因となるのは50~60%、
肺炎球菌は25%程度と、患者の大半を占めるとされ、
両ワクチンの普及で、子どもにとって
深刻な感染症の大幅抑制につながる可能性を示した。

調査対象は北海道、福島、新潟、千葉、
三重、岡山、高知、福岡、鹿児島、沖縄の10道県。
小児科の入院施設のある病院から、
患者の報告を集めて分析した。

08年から10年の3年間に、
5歳未満のヒブ感染による髄膜炎の患者発生率は、
10万人当たり7・1~8・3人(平均7・7人)だったが、
11年は3・3人と約57%減少した。
また肺炎や関節炎など、ヒブが原因の
ほかの病気の発生率も約45%減った。

肺炎球菌による髄膜炎の発生率は、
3年平均の10万人当たり2・8人から、
11年は2・1人となった。

研究班は今後接種率などを詳しく検討し、
継続して効果を調べる。
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