被災園児モデル 絵本に 仙台出身アナウンサー、出版協力


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宮城県南三陸町でボランティア活動に従事した
仙台市出身のフリーアナウンサー
伊勢みずほさん(34)=新潟市=の体験を基にした
絵本「しんちゃんのランドセル」が出版された。
主人公は活動中に出会った地元保育所に通う男の子。
かつて新潟県の民放に勤務し、
中越地震などの取材も経験した伊勢さんは
「宮城も新潟も同じ被災地。
震災を後世に伝えるきっかけにしたい」と話している。

絵本の主人公は、
南三陸町の伊里前保育所に通う男児(5)がモデル。
小学校に入学できるか心配する主人公に
支援物資のランドセルが届くというフィクションを骨格に、
地震直後の避難の様子や避難所で園児らの笑顔が
町民の心を癒やした実話を織り交ぜた構成になっている。
震災当時、伊里前保育所では、男児ら園児23人が
裏山に登って難を逃れた。
保育所は床上50センチまで浸水した。

伊勢さんは昨年4月、
炊き出しボランティアで南三陸町を訪れて
男児と出会い、「被災者にどう接するか悩んでいた時、
男児の笑顔に救われ、元気づけてもらった」と言う。

21日には伊里前保育所を訪問し、
読み聞かせの会を開催。
スクリーンに絵を投影しながら、
伊勢さんが優しい声で読み進めると、
園児たちは熱心に聞き入っていた。

絵本は同保育所に贈呈され、
男児も「とてもうれしい」と喜んだ。
伊勢さんは「しんちゃんは来年、小学生になる。
入学式をぜひ見たい」と顔をほころばせた。

絵本は震災復興を支援する
日本赤十字社新潟県支部の
「With Youプロジェクト」の一環で、
伊勢さんの体験談から新潟市の
「第一印刷所」が出版を企画し、
同市の絵本作家が仕上げた。

1冊1000円(税込み)で5000冊発行。
売り上げの一部は日本赤十字社を通じ
被災地に寄付される。
連絡先は第一印刷所025(283)6222。
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