キッズダンス 母も熱く


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ダンスが10代の子どもたちに人気だ。
コンテストに参加したり、教室に通ったり。
「キッズダンス」ブームと言われる。
ダンスの衣装作りやヘアメークを熱心に手伝う母親もおり、
親子で楽しめるのが魅力。
今春から中学の保健体育でダンスが必修化されており、
関心はますます高まりそうだ。(内田淑子)

東京都内で先月、ダンスイベント「ガールズ舞遊伝」が開かれた。
会場はヒップホップやロックの音楽に包まれ、
客席で出番を待つ子どもたちが、
思い思いに体を動かす姿も見られた。
年齢制限のない女性だけのコンテストだが、
応募した約300組の7割が小学生だった。
優勝した「ONPARADE(オンパレード)」は
高校生1人と中学生6人のグループ。
小刻みなステップを踏んだり、体を大きく弾ませたり。
楽しそうな表情が印象的だった。

音楽会社のエイベックス・グループ(東京)では
2001年から子ども向けダンス教室の運営を始めた。
その数は年々増え、現在は直営と提携スポーツクラブの
教室を合わせて全国140か所になっている。

担当者の佐藤恵美さんは「ひと頃は若者のダンスというと
深夜の街に集まるイメージもあった。
しかし今の子どもたちは『習い事』や『スポーツ』に挑戦する感覚。
ダンスを習いたいという子どもはここ2~3年でぐっと増え、
特に小学4~6年、中学1年くらいまでの女子が多い」と話す。

この世代の女児を主なターゲットに、
この春にはキッズダンス専門誌
「ガールズ★ステージ」(主婦の友社)が創刊された。
編集長の古田千恵美さんは「音楽に合わせて
自由に踊るのが格好いいと子どもたちに人気。
お母さんたちもダンス好きが多く、
コンテストの前には、衣装を作ったり、
髪形をセットしてあげたり
一緒に楽しんでいる姿が見られます」という。

東京都内の小学5年生、間宮ゆいのさん(10)は、
近所の友達とヒップホップダンスを習い始めて6年目。
母のさゆりさん(39)は、
ゆいのさんがお祭りなどでダンスを披露する機会があると、
「衣装や振り付けに合う髪形を考える」という。

得意なのは、細かく三つ編みを編み込んでいく
「コーン・ロウ」という髪形。
エクステンション(付け毛)を加えて三つ編みを
100本以上作ったこともあるという。
ヘアメークの得意な親同士でやり方を教え合うそうで、
「子どもたちが楽しそうに踊ってくれると、
自分もうれしい」と話す。

週3日ダンス教室に通っているという
東京都内の小学6年生の母(36)も、
衣装に一手間かけている。
「Tシャツに袖だけ色の違う布を縫い付けるなど、
アレンジを楽しんでいます」

今春から新学習指導要領が完全実施され、
中学1~2年の保健体育で男女ともダンスが必修化された。
ヒップホップダンスも取り入れられそうだ。
ダンス指導が不慣れな体育教諭を対象に、
日本ストリートダンス協会が3月から研修会を始めたところ、
初回は定員20人を大きく上回る41人が参加した。
同協会講師のKIDOさんは
「うまいヘタではなく、ダンスを体中で楽しんでくれる子どもが
増えてほしい」と話している。
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