子どもの花粉症増える 「蓄積して発症」はウソだった?


JCASTニュース
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花粉症に罹っている子どもが増えている。
ウェザーニューズの「第2回花粉症調査」によると、
発症の早い子どもの平均年齢は7.4歳だった。

原因として考えられていることには、
食生活の変化によるタンパク質やカロリーの摂取量が高いことや、
免疫力が低下している子どもが増えていることを
指摘する医師もいたが、
じつは花粉症になりやすい体質は
「遺伝する」らしいこともわかってきた。
「16歳以下の3人に1人」は花粉症

ウェザーニューズが「第2回花粉症調査」
(2012年4月12日~15日実施)で、
「お子さんや周りの子どもで、
花粉症の症状が出ている子は、
早い子で何歳くらいから発症していますか?」と聞いたところ、
27.4%が「4~6歳」と回答し、もっとも多かった。
次いで、「7~9歳」が17.5%、「0~3歳」が17.4%となった。

同社では全国の50の病院からも協力を得ていて、
医師は食生活の変化とともに、
幼稚園や保育園に通うなど外出機会が増えていることが、
体内に花粉が入りやすい原因の
一つになっているかもしれない、と指摘する。

一方、ロート製薬が2012年2月に発表した、
0~16歳の子どもをもつ父母を対象とした
「子どもの花粉症」アンケート調査
(2011年11~12月に実施)では、
「16歳以下の3人に1人」が花粉症であることがわかった。

同社の調査は2006年にも実施しており、
「自分の子どもが花粉症だと感じている」人は、
06年の30.2%から11年には35.6%となり、5.4ポイントも増加した。

またこの中で、花粉症に加えて
「通年性アレルギー性鼻炎を併発していると感じている」人も、
8.6%から11.2%に増加。
さらに子どもが花粉症を発症している親を対象に、
「子どもが発症したと思われる年齢」を聞いたところ、
「10歳以下」と答えた人は82.1%を占め、
06年の75.4%に比べて6.7ポイントも増えていた。

花粉症の子どもの多くが、
じつは小学校の低学年のときにはすでに発症しているのだ。


花粉症は「遺伝する」?

花粉症といえば、
体内に蓄積されたアレルギー物質(スギ花粉など)が、
ある日突然外部の花粉などに反応して
アレルギー反応を起こすと思っていた人は少なくないだろう。
そのため、年齢を重ねた、
大人になって罹る病気と思われてもいた。

それが小さな子どもが発症するケースが
増えているのは、なぜだろう――。
免疫・小児アレルギーの専門医で、
大阪府済生会中津病院小児科の末廣豊医師は
「両親がスギ花粉症の場合、
そのお子さんは理論的にはほぼ100%、
スギ花粉症になります」と言い切る。
「遺伝」、というのだ。
「アトピーなどの症状のアレルギーも両親のどちらかが
(アレルギーを)もっていた場合は60~70%、
両親とももっていると80%以上の確率で発症します。
花粉症もアレルギーですから、同じように、
つまり『遺伝である』と考えられるわけです」

たしかに突然に発症する人は少なくないが、
「花粉が飛散する量や、その人の体調によって、
症状が表に出ていなかっただけと思われます。
(発症した人は)事前にアレルギー検査を受けていれば
アレルギー反応があったはずですよ」という。

花粉症は、くしゃみや鼻水、鼻づまりなどが
典型的な症状だが、
小さい子供の場合はこれらの症状が
表に出てこないことがあるそうだ。

末廣医師は、「子どもだからといって軽くみてはいけません。
子どもほど早めの予防が大事で、
そのためには親が早く気がついてあげるしかないんです」と、
アドバイスする。

鼻をすすったり、目や鼻をこすったり、
目の周りが赤くはれたりといった症状には要注意。
「集中力が落ちて勉強の成績が落ちる
なんてこともあります」と話す。

ロート製薬の調べでは、
子どもに花粉症の症状が出ている季節は、
「4~5月」が最多(62.9%)という。
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