「長野の子ども白書」創刊 貧困・不登校… 教育、医療関係者ら


信毎web
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県内の教育関係者や保護者、医療関係者の有志らが、
子どもたちを取り巻く現状と課題をまとめた
「長野の子ども白書2012」を創刊した。
市民団体「日本子どもを守る会」(東京)が
1964(昭和39)年からほぼ毎年発行する
「子ども白書」を参考にした長野県版の取り組み。
「いのち・医療」「家庭」「教育」など計9分野で
貧困、不登校、発達障害、離婚、食など
幅広い問題を取り上げた。

執筆者約50人が、
統計数字や事例を基に現状を分析している。
飯田市の小児科医、和田浩さんは
「小児科医の見た子どもの貧困問題」と題して寄稿。
経済的な理由で子どもの通院を中断せざるを得なかった
家族の事例を挙げ、学校や保育園と医療者が
連携して援助する必要性を訴えた。

全国障害者問題研究会長野支部は、
開校当初に100人を下回っていた
県内各地の特別支援学校の児童生徒数が、
現在は200~300人規模に増えていると分析。
こうした障害児の増加傾向に対し、
受け入れる教育態勢が整っていない―と指摘した。
白書はこの他、県内のフリースクールや
教育相談窓口の連絡先をまとめた一覧も掲載した。

白書の編集は、長野市の元小中学校教諭、
小林啓子さん(64)らが
「地域の中から子どもや若者の今を考えよう」と
知人らに呼び掛けて昨年7月から開始。
ホームページで県内の教育に関する情報を
発信しながら執筆者を募集し、
計3回の「執筆者会議」を経てまとめた。

小林さんは「子どもをめぐる目に見えづらい問題を出し合い、
さまざまな分野のつながりを生み出して
解決や支援につなげたい」と話している。
今後も執筆者を募り、
年に1冊ずつ発行する予定だ。

A4判、190ページ。
税込み3千円で、ファクスなどで申し込む。
問い合わせは長野市の子ども白書編集委員会事務局
(電話026・244・7207=ファクス兼用)へ。
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