「若者の活字離れ」はウソだった! 子どもの読書数は増加傾向


suumoジャーナル
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6月11日は学校図書館の日。
これは1997年6月11日、学校図書館法の改正により、
12以上のクラスがある学校に司書教諭の配置が
義務化されたことによる。
司書教諭とは、学校図書館のための教員。
本の貸出しや管理だけでなく、生徒への読書指導なども担当する。

そんな司書教諭の配置の義務化により、
子供たちの読書スタイルに変化はあったのだろうか?
Wikipediaの「活字離れ」の項目によると、
法律改正後から数値的な変化は見られるよう。


「『5月中に読んだ本の冊数』という調査を行っている。
高校生の調査結果を見ると、
1970年代の平均4.5冊から1980年代に上昇し、
平均7.4冊(1984年と1988年)まで達した。
1990年代には低下傾向となったが、
2000年代に入って急上昇し、
波はあるものの2003年には平均8冊、
2004年にも7.7冊という高水準を記録した。
小学校・中学校の児童・生徒の調査結果は
長らく平均1~3冊の水準
(小学生で1.5冊未満、中学生で2冊前後)だったが、
2000年代になると高校生と同じく急上昇し、
2004年調査では小学生で1.8冊、中学生で3.3冊という
調査開始以来の高水準に達した」

“若者の活字離れ”なんて言葉もあるが、
少なくとも小中高校生の読書量は、
2000年代に入って上昇したとある。
さらに出版科学研究所によると、
若者をターゲットとしたライトノベルの推定販売金額は、
2004年の265億円から2009年には301億円へと1割以上増加している。
しかしその5年間に、書籍全体の売り上げは1割以上も下落。
こうしてみると、活字離れが進んでいるのは、
子供たちではなく大人の方なのかも知れない。

また年代だけでなく、地域によっても読書率は変化する。
国が発表した都道府県別統計データを利用して、
地域別ランキングを制作するサイト「とどラン」の
「図書館貸出冊数ランキング」には、こんな内容が。

第1位 滋賀県 貸出冊数12,330,804冊 人口1あたり8.93冊
第2位 東京都 貸出冊数84,550,687冊 人口1あたり6.72冊
第3位 佐賀県 貸出冊数5,822,465冊 人口1あたり6.72冊
第4位 山口県 貸出冊数8,474,463冊 人口1あたり5.68冊
第5位 大阪府 貸出冊数48,441,542冊 人口1あたり5.49冊

こうして見ると滋賀県が他県を圧倒しているが、
滋賀県のホームページ内にある
「県民1人が年間に借りている図書冊数」によると、
1980年まで県内の貸出冊数は最低レベルだったよう。

「1980年当時の県内の市町村立図書館の
人口あたりの貸出冊数は全国的にも最低レベルにありました。
7市全てに市立図書館が設立された
80年代半ばに全国平均を上回り、
90年代には町立図書館の設置数が飛躍的に増え、
自治体の図書館設置率が全国平均を上回るようになったことから、
全国からも注目される水準にまで伸びてきました」

図書館未設置の自治体へ設置を推進することなどにより、
2000年以降は貸出冊数が全国トップに。
2008年度の調査時には7年連続全国1位に輝いたという。

本に親しみやすい環境をつくることで、自然と読書率は上がる。
そう考えると“大人の活字離れ”を防ぐには、
優良な図書館が数多い街に住むことも効果的と言えそうだ。
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