難病の子病院で介護支援…こどもホスピス開設へ


YOMIURI ONLINE
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がんや先天異常などの難病の子らに、
治療を受けつつ学びや遊びを楽しんでもらおうと、
大阪市東淀川区の淀川キリスト教病院
(椋棒むくぼう正昌総長、657床)が
今秋、日本初の「こどもホスピス病院」を開設する。
ホスピスは、がんなどの末期患者が穏やかな
終末を迎える場の印象が強いが、
同病院が手本とする欧米の施設は、
子どもと家族が休み、楽しむ場という性格が強い。
難病の子を介護する過酷さは問題になっており、
関係者は「子どもの難病介護に
手を差し伸べる先駆けになれば」と期待している。

7月の病院移転に伴い、現在の分院を、
大人と子ども対象の「ホスピス・こどもホスピス病院」に改装する。
こどもホスピスは12床。
4人部屋にあたる約30平方メートルを個室にし、
家族やペットも一緒に宿泊できる。

授業を受けられる「がっこう」や、
遊具などがある「おそと」といった場を設け、
保育士や遊びの専門家の配置を検討している。

長期入院も可能だが、自宅で暮らす難病の子が
数日間訪れる利用を主にする。
家族にとっても介護の負担を軽減できる。
費用は、通常の治療費や入院費のみ。

日本小児科学会の推計(2007年)では、
人工呼吸器などが必要な「超重症児」だけで約7350人いる。
一般病院では、難病でも病状の安定した子の入院は難しく、
半数は家庭での介護だとされる。
こどもホスピスでは、緩和医療の診療目的で入院が可能だ。

同様の仕組みを作る動きは、全国で広がりつつある。
大阪市立総合医療センター(同市都島区)の
小児科医らは社団法人「こどものホスピスプロジェクト」を設立。
施設建設のため寄付を募る一方、
看護師や音楽療法士が患者宅を訪れ
一緒に遊ぶなどの活動をしている。
重病の子を預かる「海のみえる森」も来春、神奈川県に開設予定だ。
同プロジェクトにかかわる多田羅たたら竜平医師は
「子どもの在宅介護を支える
公的サービス拡充について国レベルで議論すべきだ」としている。

大阪市の自宅で脳性マヒの次男(3)を見る母親(43)は、
こどもホスピスが出来たら、
構ってあげられていない長男(12)のためにも
宿泊サービスを利用したいと期待する。
夜間は人工呼吸器を付け、
日中は鼻に入れた管から栄養や薬などを補給。
外出もままならない。

「こどもホスピスで親同士の
ネットワークが出来たらうれしい」と話した。
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