質問なるほドリ:新しい認定こども園、これまでとどう違う?=回答・鈴木直


毎日jp
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 ◇指導監督、内閣府に一本化 幼保に移行義務づけず

なるほドリ 国会議員がテレビで
「こども園(えん)」とか言っていたけど、何のこと?

記者 政府は税と社会保障の一体改革で
06年から幼児教育と保育を一体提供してきた
「認定こども園」を廃止し、「総合こども園」を新設する方針でした。
それが民主、自民、公明3党の修正協議で
15年度をメドに認定こども園を充実する方針に変わりました。

Q どう違うの?

A 認定こども園は幼稚園と保育所を合わせた施設ですが、
幼稚園は文部科学省(もんぶかがくしょう)、
保育所は厚生労働省(こうせいろうどうしょう)が所管しています。
二重行政の弊害で、認定こども園は
定員が幼稚園枠と保育所枠に分かれ、
幼稚園枠は文科省予算、保育所枠は厚労省予算です。
施設にすれば幼保双方の認可が必要なうえ、
補助金申請なども煩雑(はんざつ)です。
それが一因で、施設数はまだ911(4月1日時点)と、
政府目標の2000施設の半分以下です。

Q 総合こども園は?

A やはり幼保一体化施設(ようほいったいかしせつ)です。
しかし二重行政への反省を踏まえ、
補助金や認可・指導監督を内閣府(ないかくふ)に
一本化するのが政府の考えでした。

Q じゃあ、結局二重行政は続くんだ。

A いえ、新たな認定こども園には、
予算や権限を内閣府に集約するという
元々の政府案が採用されています。

Q だったら名前は「認定」で変わらないけど、
実態は「総合」になるってこと?

A そうも言えません。
政府原案は保育所について、
3歳未満児のみを預かる施設を除き、
原則10年以内に総合こども園へ移行することを
義務づけていました。
幼稚園の移行は義務化していませんでしたが、
修正案は幼稚園、保育所ともに
「移行は義務付けない」と明記しています。

Q 幼稚園や保育所のまま残る所も多くなりそう。

A 重要なのは昨年10月時点で4万6000人いる
保育所待機児童(たいきじどう)の解消です。
幼保一体化よりは認可保育所数を増やすのが効果的。
補助金負担を嫌って、待機児童がいるのに
都道府県が認可しないケースが指摘されていますが、
今回の修正では、面積など客観的な基準を満たす
保育所について、都道府県は原則、
認可しなければならないとされています。

Q 改善が期待できる?

A そうですね。ただ、保育所は定員が増えると
入所を諦めていた人が押し寄せ、
結果的に待機児童が増えてしまうという面があります。(政治部)

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