向精神薬漬けにされる子どもたち―文科省方針で乱用・大量投与


JCASTテレビウォッチ
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上半身の揺れが止まらない小学生、
足の先が小刻みに痙攣し続ける高校生―
番組冒頭にショッキングな映像が流された。
取り上げたのは「向精神薬」と言われる
薬の副作用で多くの子供たちが苦しむ姿だ。
発達障害の症状がある子どもに対し、
小学校低学年までに副作用のある向精神薬を
処方している専門医が、全国で7割に達することが明らかになっている。
いったい今、子供の世界で何が起きているのか。
3
歳児に興奮性抑える薬、1歳児に睡眠障害抑える薬

番組の初めにキャスターの国谷裕子が
こんな異例の前置きをした。「精神的疾患は早く発見し、
治療をすれば治ると考えられており、
この番組では一律に薬の投与を否定するものではありません」

NHKらしい気遣いだが、多量な薬の投与に苦しむ子ども、
「ヒヤヒヤしながら」処方する専門医の証言など、
向精神薬を子どもに投与することへの疑問をストレートに伝えた。

背景にあるのは文部科学省がすすめる学校と医療機関の連携だ。
教師の指導で多くの子供が精神科を受診し、
精神を穏やかにする向精神薬や
激しい落ち込みを改善するための向うつ薬、向不安薬、
さらには睡眠薬を服用させられている。
これについて、文科省の担当者は
「子供たちの心の問題を早期に発見し、
早期に治療するためには医療の力を借りないと
解決しないところがある」という。

しかし、副作用に苦しむ姿を見ると、
子どもが身を持って「くすり漬けにはなりたくない。
安易に薬に頼る風潮を国が推進していいのか」と訴えているように見える。
しかも、向精神薬を止めると「離脱」という恐ろしい反応があり、
命にかかわることもあるという。

厚労省が行っている患者調査では、
発達障害やうつ病などの精神疾患で受診した未成年の患者は、
平成20年に15万人、12年前に比べ倍増しているという。
国立精神・神経医療研究センターが、
どんな薬を何歳からどれだけの量を与えていたかを、
全国の精神科・小児科医を対象に調査したところ、
薬物の開始年齢は就学前が39%と一番多く、
次いで小学校低学年が36%。
小学校低学年までが7割を超えていた。
このなかには、興奮性を抑える薬を3~4歳から与えていた医師、
睡眠障害をおさえる薬を1~2歳の幼児に投与していた医師もいた。
いっぽうで、「内心ヒヤヒヤしながら処方」
「重篤な副作用がまれでない向精神薬を
使い続けることに疑問を感じながら処方」と
語る小児精神科の医師もいた。

成長過程にある子どもがこうした薬物を服用した場合の影響について、
現段階ではほとんど解明されていないし、
どのくらいが適量かも明らかにされていないという。

専門医師「12歳ぐらいまではほとんど薬なしで乗り越えていける」

国谷「なぜ学校と医療現場が繋がる傾向が強くなっているのですか」

井上登志子記者はこう答えた。
「最近は、発達障害やうつ病などの兆候をいち早く見つけ、
早期治療に繋げて専門的なケアをした方が
病状の悪化を防げるという考えが学校現場や
医療の世界に浸透しています。
文科省では子供の異変を見抜く教師向けの
手引書を作成しているし、医師が学校へ入って行って
教師の相談に乗るという取り組みも各地で始まっています。
しかし、なかには深刻な副作用に
苦しむケースも出てきています」

児童精神科医の石川憲彦医師は「問題は2つある」
と次のように指摘する。
「10年ぐらい前からだが、精神障害の兆候があると
親も先生も医師も見逃してはいけないという
『善意と怖れ』の混じりあった意識が強く働くようになった。
昔なら子どもの行動をこれは元気な証拠だとか、
個性的だとか、面白い行動と見ていたのを、
最近は問題行動と悪い方向で見るようになってしまった」

では、成長過程の子どもを持つ親は
子供の異変にどう対処すればいいのか。
石川医師は「人間の脳は生まれ落ちた時にすでに
土台と大ワクができている。
5歳ぐらいまでに内装工事をしていくし、
その後数年間はものすごい勢いで配線工事が起こる。
私は12歳ぐらいまではほとんど薬なしで
問題を乗り越えていけると思っている」

福島原発事故の放射線汚染と似ている。
国の方針、情報を鵜呑みにして子どもをくすり漬にすると
取り返しのつかない事態になることもある。
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