不登校の手記、冊子に…千葉・松戸のボランティア団体


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不登校の子どもたちの支援に取り組む
千葉県松戸市のボランティア団体「ひだまり」が、
子どもや保護者の手記をまとめた冊子
「不登校という宝物」を出版した。

いじめによる不登校に悩んだ中学生の頃にこの場所を訪れ、
今はスタッフとして団体に携わる千葉県柏市の
太田麻由子さん(20)の体験記も収録されている。

JR北松戸駅近くのビルの一室。
団体が営むフリースペース「ひだまり」には、
松戸や柏など県内のほか、
東京や埼玉からも不登校の小中高生約20人が顔を見せる。
利用料は1回1000円で、
何回利用しても1か月に5000円が上限。
スタッフや大学生ボランティアと会話やゲームを楽しみ、
勉強を教わる子どももいる。

太田さんは昨年秋から週2、3回、
この部屋で子どもたちの話し相手となったり、
会報作りを手伝ったりしている。
「優しくて、芯の強い子が多い」と感じる一方、
「だから、集団の中でうまくいかないこともあるのかも」と、
かつての自分と重ねることもある。

太田さんは中学入学直後から、いじめを受けるようになった。
「いじめられていた級友と普通に話していたのが
気に入らなかったみたい」。
筆箱にごみを入れられたり、
かばんに画びょうを刺されたり……。
心も体もつらくなり、親とぶつかるようになった。
中2の秋には登校できなくなった。

太田さんが友人の紹介で「ひだまり」を訪れたのは、中3の春。
代表の鹿又かのまた克之さん(68)から
「今までよく頑張ったね」と言われ、
「自分を肯定してもらい、心が軽くなった」。
次第に心を開くようになり、
泣きながら胸の内を打ち明けたこともある。

中学卒業後は通信制高校で学びながら、
母親の勧めで始めた乗馬を支えに落ち着いた生活を送った。
行き詰まると「ひだまり」に足を運び、
自分が変わるきっかけとなった場所から元気をもらった。
専門学校を経て、現在は郵便局でアルバイトをしており、
牧場などで馬にかかわる仕事に就くことを目標としている。

太田さんは不登校の経験を「自分の弱さや優しさ、
周囲の愛を学ぶことができた」と振り返る。
体験記では、苦しむ子どもたちに
「自分を認めてあげて下さい。
そして、ひとりじゃないという事を忘れないでください」
と呼びかけている。

冊子はA5判96ページ、500円(送料別)。
問い合わせなどは鹿又さん(080・5069・7072)へ。(松本勲)
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