新口羽保育所建設予定地から弥生後期の石棺など出土


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邑南町教育委員会は4日、同町下口羽の新口羽保育所の
建設予定地で、弥生時代後期の箱式石棺2基と木棺2基が
見つかったと発表した。
町内で同時期の遺構の発見は6カ所目。
江の川支流の出羽川沿いに有力者が存在していたことを示し、
旧羽須美村地域では初めての発見。
町教委は石棺など遺物は移設して保管し、
現地は埋め戻し記録保存する方針。

現場は、輪之内(わのうち)遺跡と呼ばれる一帯にある
同町役場羽須美支所隣の水田。
移転新築工事着手に先立ち、
町教委が4月から調査を始め、
5月中旬に職員が石棺2基と木棺2基を見つけた。
同じ場所で弥生時代後期の土器が
見つかったことから年代を特定した。

石棺の一つは地面を掘ったくぼみの中に
複数の石を並べた形状で、奥行き250センチ、幅90センチ。
他の石棺と木棺は並行して位置している。
町内で同様の石棺や木棺が発見された遺跡は6カ所目で、
町教委は当初の予定を1カ月延長し、
6月末まで発掘調査を続ける。

町文化財保護審議会の吉川正副会長(63)は
「通常は丘陵などに埋められることが多く、
川の近くで見つかるのは珍しい。
当時の住民が、水害防止を願って
埋葬したのではないか」と推測した。

町は現保育所の老朽化を受け、
現在地から西に500メートル離れた
町民所有の水田を購入し移転新築を計画。
本年度予算に建設費1億8千万円を計上し、
木造平屋建て440平方メートルの
新保育所を来春開園する予定。
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