震災経験した子どもたち 書に込めた「心の叫び」 調布・東京アートミュージアムで展示


東京新聞
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「なみだはえがおにかわる」「きずつくことは生きること」。
東日本大震災を経験した子どもたちが書いた言葉だ。
津波被害を受けた岩手県陸前高田市や
宮城県石巻市の子どもたちの書道の展示「子どもたちの心の音」が、
調布市仙川町一の東京アートミュージアムで開かれている。 (高橋知子)

子どもたちに書を呼び掛けたのは、
名古屋を中心にラジオパーソナリティーとしても活躍する
書家の矢野きよ実さん。
被災地支援の一環で、子どもたちと一緒に書に取り組む。
母を亡くした女子児童は
「なきたければなけ わらいたければわらえ」としたためた。
大学生の兄が言った言葉という。

思うことを自由に子どもたちに書いてもらう。
筆を握った当初は「津波」「海」といった
震災を思い起こさせる言葉を書く子が多かった。
十枚、二十枚と書くうちに、「生きる」「笑顔」の文字に変わる。
筆は前向きな言葉を紡ぎ出していく。
震災後、笑ったり話したりできなくなった子が、
書くことで笑顔と言葉を取り戻す例もあった。

震災直後、石巻市の寺を拠点に炊き出しをした
城南信用金庫(品川区)の常勤幹事・新田輝夫さん(61)は、
支援先で知り合った矢野さんの活動に参加。
東京アートミュージアムも趣旨に賛同し、
展示場所を提供してくれた。
小・中学校五校の子どもたちの書約百点を展示している。

城南信金は現在、仮設住宅を移動図書館で巡る支援を続ける。
新田さんは「子どもたちは、
言葉に出せなかった震災の記憶を書で表した。
ニーズがある限り支援を続けなければ、とあらためて思った」と話す。

展示を見た調布市の会社員町島崇史さん(25)は
「石巻でボランティアをした時、
被災地の人は忘れられるのが嫌だとよく言っていた。
多くの人に展示を見てもらって被災地を感じてほしい」と話す。

展示は九月二日まで。月、火、水曜と八月十二~十六日は休館。
開館時間は午前十一時~午後六時半。
入場料は一般三百円、大学・高校生二百円、小中学生百円で、
被災地に全額寄付する。
問い合わせはミュージアム=電03(3305)8686=へ。
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