亡き友へ届け 丹波の子どもらがジャンボ灯ろう


神戸新聞NEWS
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先祖供養のため灯ろうを流す
兵庫県丹波市市島町市島の「川裾祭り」を前に、
地元の子どもらが24日、5月に12歳で他界した
真多蓮太郎君に思いを届けるジャンボ灯ろうを完成させた。
筋肉が衰える難病のため車いすを使っていた蓮太郎君。
3月、吉見小学校の卒業式では
「将来、歩けるようになりたい」「助けてもらった恩返しがしたい」
と夢を語っていたという。
灯ろうは「天国で幸せに」との願いを込めて29日に川へ流す。(阿部江利)

祭りでは例年、地元住民から灯ろうを募り川へ流している。
昨年は津波で犠牲になった大川小学校(宮城県)の
児童らを追悼する灯ろうを製作。
今年は大川小の灯ろうに加えて蓮太郎君の灯ろうも作った。

幼い時に難病と分かり、小学校3年から車いすを使っていた蓮太郎君。
母の由美子さん(37)によると、努力家で負けん気が強く、
家族一番のしっかり者だった。
小学校卒業後は自らの意志で
特別支援学校ではなく市島中学校へ進学。
「しんどいで」と心配する由美子さんに「頑張る。いける」と
笑顔で宣言し通学を始めた直後に病状が急変した。
5月6日に他界する直前まで「病気を治すんだ」
との前向きな思いを持ち続けていたという。

灯ろうは、野球好きの蓮太郎君にちなんで
「蓮太郎スタジアム」と名付け、
小中学生ら延べ約80人が2日かけて製作した。
縦横約1メートルで「歩けるようになったら野球がしたい」
と話していた蓮太郎君を大きな折り鶴で表現。
折り紙で作った選手や「いっぱい走ってね」のメッセージを載せた。

児童らは灯ろう流しの会場で読み上げるメッセージも作成。
「小学校の金管バンドでアルトホルンを頑張っていた」
「運動会のリレーで必死にタイヤを回していた」などの
思い出を振り返り「いつも頑張っていた蓮太郎君が忘れられない」
と蓮太郎君へ語り掛ける。

吉見小6年の男児(11)は
「蓮ちゃんに『天国にいても気持ちは一緒』
『天国で走れるように』という気持ちを届けたい」。
由美子さんも「みんなが蓮ちゃんのことを思ってくれていたんやな、
みんなを見守っててな、という思いを一緒に届けたい」としている。
(阿部江利)
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