被災地の子どもらへ竹製の昆虫贈る


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東日本大震災の被災地の子どもたちを元気づけようと、
福岡市西区今宿上ノ原の元建築業、野坂好良(よしりょう)さん(81)が、
近所にある竹を使ってカブトムシとクワガタムシの人形700個を作った。
知人たちの支援を受けて今月、
岩手県沿岸の特別支援学校4校へ贈り、
子どもたちも喜んでいる。(本部洋介)

竹人形は、竹の幹で胴体部分を作り、
鋭い角や細長い足は枝の部分をろうそくの火であぶり曲げて表現した。
全長5~6センチ。完成した人形は1体ずつ、
建築現場で出た松の残材で作った土台に固定している。

野坂さんは65歳のとき、住宅の建築現場で、
2階から転落する事故に遭い、腰に重傷を負ったため
仕事ができなくなった。
気晴らしに手先の器用さを生かして、
カニやテントウムシの竹人形を作り始め、
地元の小児病院に贈ったり、
公民館で親子に作り方を教えたりしている。

昨年3月に起きた東日本大震災の被災地の様子が
テレビで流れるたび、心を痛めてきた。
「体が不自由な私は現地でボランティアができない。
せめて子どもたちの心を慰められたら」。
そんな思いでカブトムシとクワガタムシを350体ずつ、
1年半近くかけて作り上げた。

送り先は、知人が所属する西区の官民組織
「西区まるごと博物館推進会」(約60人)のメンバーらが
岩手県側と交渉。
輸送費や梱包(こんぽう)、発送作業も同推進会メンバーらが支援し、
26日に気仙光陵(岩手県大船渡市)、
釜石祥雲(同県釜石市)、宮古恵風(同県宮古市)、
久慈拓陽(同県久慈市)の各支援学校の子どもたち
計約330人の元へ届けられた。

小学部から高等部に64人が在籍する
釜石祥雲支援学校では一人ひとりに手渡され、
子どもたちは目を輝かせて喜んだという。
福田隆彦校長(54)は「九州の地から頂いた
温かな思いを復興の力にしたい」と感謝していた。

野坂さんは「私も多くの人の支えのおかげで元気に生活している。
子どもたちが喜んでくれたのなら何よりもうれしい」と話した。
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